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親友の形見をいただけることとなり、ブレスレットを頂戴いたしました。

 昨年10月に、親友が無くなった。享年50歳という若さ。あまりに突然のこと過ぎて受け入れられずにいた私。でも、葬儀に参列したことにより少しは認められるようになっていた。

 しばらくの間は、ユニバで流れているような洋楽を聴くと激しく涙が溢れた。なぜなら、私と親友の出会いはユニバで、毎週末のようにユニバで遊んでいたからだった。あれほどまでに心躍らせていた曲の数々に、つい先日まで涙していた。やはり、親友の死を受け止め切れないことが原因だったのだろう。

 半年が経ち、私も心が落ち着いてきた。ユニバで流れているような洋楽を聴いても、泣くことはなくなった。だから、このタイミングで形見を受け取りに行こうと思った。

息子さん・娘さんとの再会

 駅まで迎えに来てくれた娘さんは、葬儀の時とは違い、柔らかい雰囲気の可愛らしいお嬢さんだった。淡いピンクのトレーナーが似合っていた。やっぱり、あの時は気が張っていたのだろうなと思った。黒一色だったし、印象が違って当たり前か・・・。

 自宅に上がらせていただくと、息子さんが出てきてくれた。笑顔で対応してくれて、ほっとした。やっぱり、葬儀の時の緊張した顔とは違い、とても穏やかで優しそうな表情だった。

 お線香を挙げさせていただき、手を合わせてご冥福をお祈りした。

形見はブレスレット

 娘さんが奥の部屋から袋を持ち出してきた。

「これがお渡ししようとしていたものです。」

といって、私にそっと差し出した。ブレスレット。

 私と最後に遊んだ時にもしていたブレスレット。親友が亡くなるたった3週間前に一緒に遊んだ時にしていた、あのブレスレット。

 優しく穏やかな色合い、淡い色で整えられたブレスレット。袋から丁寧に取り出し、自分の左手首に付けてみた。するとどうだろう。サイズが、全く一緒なのである。私のために作られたのかと思いたくなるほどぴったりで、

「あれ?サイズ調整してくれたの?」と、思わず聞いてしまったくらいだ。

ちっちゃな旦那さんとちっちゃな親友

 そうそう、親友の旦那さんとも友達で、一緒に3人で遊んでいた。旦那さんは口が悪いけれど、親友をめっちゃ愛していて、大切にしているのが伝わってくるような人だった。親友もそれを分かっていたから、「ええねん、ええねん。」と言って、色々なことを笑って流していた。

 旦那さんが亡くなった時(今から3年前)、親友は色々なことに大忙しだった。四十九日やら納骨やら遺産相続やら・・・。そんな中、慌てて探し、「とっても奇麗だったから」という理由で決めたクリスタルの位牌が届いた時のこと。それは、一般的な位牌の2/3程度の大きさだった。

「旦那がな、180cmも身長あったのに、ちっちゃくなってん!笑えるやろ?wwwww」

 そう言って、ゲラゲラ笑っていたのを思い出した。仏壇には、小さめのクリスタルの位牌が2つ、ぴったりくっついた状態で置かれていた。

『おいおい、自分もちっちゃくなっとるやんけ!wwwww』

私は心の中でそう突っ込みながら、にやりと笑った。マスクの上からもわかるくらい笑っていたのかもしれない。娘さんに、どうかされましたか?と問われた。

「これは、敢えて2つをくっつけて置いてるの?」

という私からの質問に対し、息子さんも娘さんと口をそろえて

「はい、そうです!」

と答えた。

 その後、夫婦の危機の話やら家族の危機の話やらをたくさん教えてもらった。あれほどラブラブに見えた2人にも危機があったんだと分かり、ちょっと嬉しくなった。うちだけじゃないんだな、と。

 仏壇に置かれている位牌は、二つとも小さくて。

『おいおい、何度でも言うたるで。ちっちゃくなっとるやないかい!』

と、突っ込みながら涙が流れた。ダメだな、まだ立ち直れていないらしい。

形見を身に付けてUSJへ!

 今日、形見のブレスレットを身に付けてUSJへ行ってきた。3人の思い出のショー【ユニバーサル・モンスターズライブ・ロックンロールショー】を見るためだ。

 半年ぶりのUSJは楽しかった。その空間にいるだけで、楽しかった。でも、同時に淋しかった。隣にいたはずの2人がいない淋しさが、否応なく私を襲った。

 ブライドという役の女性が熱唱していたのを見て、私は号泣してしまった。なぜなら、2人はハリマさんというパフォーマーが演じていたブライドのファンだったから。あの時の2人がカメラを構える光景がフラッシュバックしてしまって、泣かずにはいられなくなったのだった。

 ひとしきり泣いた後、最後までショーを楽しんで表に出た。たまたま遊びに来ていた戦友家族と一緒にランチを食べ、私のメンタルは回復した。

3年はかかるだろう

 父が亡くなった時も、立ち直るまで3年かかった。父が入院中に通い詰めた喫煙所。父亡き後、そこを通るたびに父を思い出し号泣したのだった。泣かずに通り過ぎることができるようになったのは3年後だった。

 旦那さんが亡くなって3年が経った。だから、旦那さんのことは、大丈夫。親友の死から立ち直るのは、きっと3年後。それまで、踏ん張ろう。焦らなくていい。自分のペースでゆっくり立ち直れば、それで良いのだ。

 そうそう、娘さんが「結婚式にはお呼びしますからね!」と嬉しいことを言ってくれた。遠く離れた場所にいるし、力になれることも限られているかもしれないけれど・・・結婚式には喜んで飛んでいきたいと思っている。

 息子さんも、楽しみにしているからね!

 今日も私は生かされ、今を生きている。自分にできることはすべてやろう。取りこぼさないようにしっかりと両手を広げて。前を向いて歩いていこう。息子さんと娘さんが頑張っているように、私も頑張ろう。泣いてばかりはいられない。誰にも明日はやってくるのだから。

もしもあなたの琴線に触れることがあれば、ぜひサポートをお願いいたします(*^^*)将来の夢への資金として、大切に使わせていただきます。