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ゲーミングPCのレビュー、クチコミ

 レビュー、クチコミ、評価は商品を買う前の重要なチェック項目になっています。通販で実物を見ることができない場合や高価な買い物で失敗できない場合に頼りになります。
 しかし、ゲーミングPCの場合は日用品のそれとは異なります。

検証記事は有益

 ゲーミングPCの選定時に参考になるのは、出版社系の検証記事です。
 PCはCPU、GPU、RAM、SSDなどのパーツで構成されています。
 これらの構成を明記した上でベンチマークテストを実行し、ゲームタイトル、解像度、画質設定ごとに平均fpsを記載しているレビューは有益です。
 注意する点は、検証商品をメーカーから借りている場合、悪い点の指摘を遠回しにしていることです。
 例えば解像度は1920×1080(FHD)、画質設定は最高品質で検証するのが主流です。これで60fpsあれば標準的な性能、144fpsあれば高性能です。
 ところが解像度を1280×720、画質設定を標準品質にすると検証結果が高くなります。条件を下げることで結果を良く見せる手法です。文面でも「性能が低い」とは書かずに「エントリークラスとしては十分な性能」や「入門用にピッタリ」といった言い回しになります。
 このあたりの意図を汲み取って読み解くことができれば、最新情報を発信してくれる検証記事はとても参考になります。

個人のレビューは基準が問題

 個人のレビューは基準が曖昧です。
 PCの買い替えは人によって3年~10年と開きがあります。
 10年前のPCに比べれば最新のPCの性能は高くて当然です。
 「以前のPCより快適です」では参考になりません。

同一商品が少ない

 ゲーミングPCはBTO(受注生産)が主流です。
 購入時にメモリを増設したりグラボをアップグレードすることもできます。そのため同じ商品名でも構成が異なることがあります。
 セール中でも構成が変わるくらい頻繁に行われるので、全く同じ構成のレビューを探すことの方が難しいかもしれません。
 CPUとGPU(グラボ)が明確でないレビューはあまり参考になりません。

値段が変われば評価も変わる

 PCの値段によって期待値は変わるものです。
 同じ構成のPCでも10万円と20万円では評価が変わります。
 「値段の割に高性能」か「高価な割に低性能」かは構成と価格によって決まります。
 値段が明確でないのにコスパに言及するレビューはあまり参考になりません。

統計ではない

 「A社で買ったらすぐ壊れたのでB社の方がいい」というレビューもありますが、両社で同時に数台購入して同じ使い方をしていなければ比較はできません。
 1台買ってその1台壊れれば故障率100%ですが、統計的な意味にはなりません。

商品以外の価値

 店員の態度とPCの性能は関係ありません。もちろん店員が良心的でPCの性能が高くて値段が安ければ最高ですが、そうでないこともあります。
 店員の態度に対する評価も人によって違います。
 積極的に話しかけてほしい人もいればそうでない人もいます。買う予定がない時は話しかけられたくないけど、買うつもりの時は話しかけられたいというユーザーもいます。日によって違うユーザーの気持ちまで店員にはわかりません。
 また、BTOは注文を受けてから作るので納期1週間は普通です。商品によっては翌日出荷や2週間など開きがあります。予定の納期に遅れた場合のマイナス評価は当然ですが、予定日より前にもかかわらず待ちきれない気持ちから不満を言う人もいます。
 心情的な評価に振り回されず客観的な視点が必要です。

ネットでよく見る

 例えば誰かがTwitterで「A社のPCが壊れた」とツイートしそれを1万人がリツイートすると1万台が壊れたように錯覚します。
 良い話よりも悪い話の方が強く印象に残り、ネットで拡散されやすいということもあります。
 実際に買っていなくても「A社はよくないらしい」とツイートすることもできます。
 購入者のレビューと噂話は区別して捉えましょう。

故障はするもの

 買ったPCが初期不良だと感情的なレビューを書く人もいます。楽しみにしていたPCに不具合があれば気分が良くないことはわかりますが、数百万円の車でさえリコールがあるので不具合を0にすることは難しいことです。
 PCも車も同じですが、壊れたと言っても全く使えなくなることは稀です。故障した部品を交換すれば使えるようになります。
 気分が悪いからと丸ごと交換を要求しても対応してくれるかどうかは保証規約次第です。

勘違いもある

 PCの故障ではなく勘違いということもあります。
 初めてデスクトップPCを買った人は「PCとモニタの接続を間違えていた」「主電源を入れていなかった」「モニタのスイッチを入れていなかった」など初歩的なミスを犯すことがあります。
 「PCが届いたのに動かない」とネットに書き込んでからミスに気づき謝罪する人もいますが、黙って削除したりそのまま放置されているものもあります。
 PCの不具合が必ずしも店側の責任とは限りません。

最後に

 レビューの悪いことが全て自分自身に降りかかるわけではありません。
 ”その人が買った時にはそういうこともあった”程度に読みましょう。

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