セシボンといわせて(その朝/はじめに代えて)
〈その朝/はじめに代えて〉
「セツが掛かってる!」
階下の母の大声で、文字通りガバッと跳ね起きる。時刻は4時20分。部屋は煌々と明かりがついていた。多分外はまだ暗い。
身体が布団の上にあったのかどうかも曖昧で、まだ頭には靄がたちこめているのに、ここから忙しく動かなくちゃならないのだけはどこかで指令を受けでもしたみたいに分かっていて、その前にいったんトイレへ駆け込んでしまう。
なんで?
トイレの中でもずっと繰り返してる。シャワーも浴びず、歯も磨かず寝落ちした記