愛犬・外飼いトイプードルの思い出32

愛犬とやりたかったけど、やれなかったことがある。それはバイクでのちょこっとお出かけだ。

バイクといっても、買い物用のカゴ付き原付バイクなんだけど、そのカゴに愛犬を乗せて、ちょっと隣駅まで行ってみようかなと思っていた。

隣駅の周辺は桜の名所で、川沿いの遊歩道が桜並木になっている。家から歩いていけない距離じゃないけれど、桜並木を散歩するとなると往復2時間以上はかかる。犬も人間も、ちょっとくたびれそうだ。

駅の反対側にある、大きな池のある自然公園も、愛犬とのツーリング候補地だった。子どもの頃に行ったきりだけど、今はしっかり整備されてミニ動物園やBBQ台もある市民の憩いの場になっているらしい。

ファッション雑誌のグラビアか何かで、ゴーグルをつけた犬が楽しそうにバイクに乗っている写真を見たことがある。耳が風になびいて、舌を出した顔がいかにも嬉しそう。あんな感じを勝手に想像していたんだけど、はて、実際にやったらどうなっただろう。

でも、ビビリだったからバイクに乗るのは怖がったかな？
それとも案外、乗せちゃったら抵抗しなかったかな？

おとなしく乗ってくれたら、耳を風になびかせていたはずだ。前カゴに乗って、耳をフワフワさせている姿を運転席から見るのはさぞかし可愛かっただろうな。誰かに写真を撮ってもらいたいぐらいに。

そんな楽しい想像をしながら、今夜は寝ることにしよう。せめて夢で会えないかな……。