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「君たちと同じだ。」

※以下ネタバレに注意






「離せ!オイ!いったい、これから何しようってんだ?!」

「君たちと同じだ。」

「同じことをやるんだ。」

「おい、同じってなんだ?!あいつは何を言ってるんだ!?」

高所作業車に、フッ、と飛び乗り、降りてきた人物、石原悟郎その人と、バンドの撮影ディレクターとのやりとりである。

石原悟郎02
制服姿の石原(作戦会議にて)

石原悟郎

劇場公開アニメ「WXIII 機動警察パトレイバー」の登場人物の一人(石原とあるが、あの石原軍団とは関係無い、たぶん)。

設定:陸上自衛隊 一佐。作中で起きる事件に深く関わる人物。

制作サイドをして「他のキャラは生活感が見えるが、こいつだけは想像出来ない」「『他の人物は実写の様だが、石原は普通のアニメみたいだ』と言われた」というキャラクター。

※また、個人的にはその風貌・外見と声・口調とのギャップが凄いと感じている。

DVDのディスクジャケット(カバーアート)

筆者は同作をリアルタイムで劇場で観てはおらず、公開から何年も経てから某レンタルショップにて遭遇、以後、ドはまりすることに。

※上に載せたDVDのジャケット、これが「借りて観てみたい」という決め手に。

そしてジャケットのセンターで佇む石原悟郎、仏顔というか、仏門の人みたいな顔とは裏腹な人物……。

この作品の前作「機動警察パトレイバー 2 the Movie」に登場した柘植 行人(つげ ゆきひと)も、ある場面をして「彼岸を見た」という表現がされたりするが、この石原もどこか浮世離れしている、上記の様に「生活感が見えない」「いかにもアニメで、現実的な存在感が無い」、特異な存在で、そのことが作中での存在感を際立たせている。

※作中の事件の中枢にいる人物なので、要所要所で登場はするが、台詞はそれほどない。にも関わらず、その異様さからか、シーンごとの存在感は作中のどのキャラクターよりも抜きん出ているように、筆者は感じています。

特に面白いのが、下記に挙げるの後藤とのやり取り。

石原悟郎&後藤
スタジアムで展開される作戦 その終盤にて

~物語のクライマックス スタジアムにて~

後藤「最初から燃やすつもりだったな?」

石原「お宅の上層部とは織り込み済みさ。貴方は知らなかっただろうが。」

※実はうろ覚えです……。スマソ。やり取りとしてはこんな感じです。

上の画像右側の人物後藤喜一(特車二課第二小隊隊長)も同シリーズ内で、「食えない人物」として描かれているが(『カミソリ後藤』『切れ過ぎた』等と言われる)、その後藤をも出し抜く形として、徹底的な証拠隠滅を図っている(『織り込む: 一つの物事の中に、他の物事を含み込ませる。組み入れる。』いわゆる「プランB」として焼却処分を作戦全体の内に組み入れ、そのことを利用しての証拠隠滅を計画していたと考えられる)。

後藤と石原のやり取りは、数は多くないものの、どれも面白いので以下に抜粋します。

~作戦会議にて~

後藤「あのぅ……具体的に、特車二課は何をすればいいんでしょう?」

石原「射撃はそちらの方が慣れている。おまかせしますよ。」

後藤「必要なものは、そちらで用意して頂けるんですね。」

文章だけだと伝わらないでしょうが、映像(その場面、特に二人の表情)が入ると、そこでのやり取りが面白いものになるんですよ‼←

~作戦開始~

石原「第一分隊(うろ覚え。特科隊か、あるいはもっと別なものかもしれない)。第一分隊を、水門へ。」

※この間に色々あります←上記の部隊は、ここでのことから特科隊かも

後藤「……派手な前座だこと!」

~スタジアムにて~

「これは使わないはずでは!」

「予定が変わったんだ。」

後藤「そ。変わったの。」

後藤「ここからはうちの管轄だから。そこんとこ、よろしく。」

石原「……。」

ここも二人の表情が入ると、グッ、と面白いものに。更にこの後

後藤「どうゆうことだ?」

石原「予定が変わったんだ。」

※警察も自衛隊も予定コロコロ変わりすぎですよ……。

そして上記クライマックスへ。

一度作品を観たら、上記に挙げた台詞、やり取りの面白さが伝わる、はずです、はい←

「この作品はパトレイバー3ではなく、第三のパトレイバーである」

公開時のコピーのとおり、作品全体が、何か、蜃気楼の様な曖昧な雰囲気の世界観である。その中で、妖しい匂いを放ち漂わせる石原悟郎。

それはどこか、クトゥルフ神話とそこに出てくる黄衣の王ナイアルラトホテップといった存在の様でもある。

さしずめ、蜃気楼の街と、そこより来る使者といったところか。

この魅力、あなたにも気付いて欲しい……。

もし、気付いていただけたのなら、幸いです(笑)。


ここでDVDのジャケットの話に戻ると、本編でも着用しているあの特徴的な石原の私服、あれに憧れて、それらしい服を探した時期がありました(笑)。特にあのロングコート。あれが欲しくて、ショッピングモールをウロウロしたり、ネットでも探しましたが、結局見つかりませんでした(苦笑)。

ああゆう色(水色?)はもとより、ライトグレーやシルバーといった色のコートって、実は無いことにそれで気付いた思い出が←

※コートの下に着てる、あの青い(ネイビー)独特な襟のシャツは、ソックリなのを偶然見つけて、手に入れることが出来ました(笑)。

最後に劇中曲を

ベートーヴェン ピアノソナタ 第八番 「悲愴」

本当にいいところで流れます。


そこは朽ち果てた水槽の様なスタジアム

辺りに漂う悲愴 降り注ぐ生温い雨

まるで総てを洗い流すかの様に



※「最後に」と書いたのに追記します←


『明日から使える⁉ワンフレーズ英語‼』←

~この記事の冒頭に出たディレクターが発した言葉と、それを訳した通訳のシーンより~

ディレクター「Hey answer me, you pig!」

通訳「『誠に遺憾な行為だ』と。」


……いや、絶対違うだろ……(筆者が思うに『何とか言え、このブ〇野郎‼』たぶんこれ)。

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