「K-1ダイナマイト」のことを友人に話したチャットの抜き出し《前編》
※ ネタバレあります
※ 友人はイマジナリーフレンドではありません
構成がどうなってるか所見を記事にしようとしていました。しかし、あまりに考えたことがまとまらないので友人に話を聞いてもらいました。
ひたすら友人とマンガの思い出を語り合ったという記事です。
(主にわたしが一方的にしゃべっている)
もっともらしい感じで言ってるけど「そういう話だったかなぁ?」というあやしい内容なので話半分で読んでください。(…ところどころ言い回しが失礼だし)
4時間ぐらい滔々としゃべったんだけど、説明の抜けが酷かった。
補足いれてます。聞いてくれた友人に感謝。
地の文がわたし
文頭二字下げ 〉は友人の発言
※ は話題の説明 / ⇒ は発言の補足
長いので【前編】【後編】に割りました。
● C4くんって人気だなぁ……
※ 編の区分と内容をまとめた資料(リンク先の1~5と同一内容)を読んでもらいました
> リアルタイムで読んでた時の記憶は色々朧気なんだけど、C4のことめっちゃ好きだったなぁということを思い出した。リアルタイム連載時期がだいぶ前なので、手元にコミックスがないと、やっぱり思い出せないところはたくさんあると思いました(小並感)
好きと言ってる人の手前でなんですが、わたしはC4くんがわりかし苦手です……。
> 苦手なものは苦手と言ったほうが良いと思うのですよ! うろ覚えだけどC4くんは苦手に思われても無理がないキャラだった気がする。弱みがないというか宇宙人というか(うろ覚えなのに暴言)
C4くんはねー、なにせチャンピオンだもんだから、素朴な期待や欲求をもってもお高くとまってるように感じちゃうのよね。
> 上から目線だよね。実際高みにいる少年ではあるんだけど、C4くん。感情移入はしにくいと思う。
うむうむ。いきなり、ここに描いた図の話するけど、「天魔」ってあるやつ。これがC4くんが空手初心者の舞人くんに期待を持つきっかけになってる。チャンピオンが格闘技初心者に張り合いを見出すとか、ふつうあり得ないし、ライバルになるってよっぽどのことだよね。
C4くんは舞人が「天魔」を偶然完成させかけたから「正道空手最強の奥義と戦えるかも!」とか思ったのよ。こう書いてみると、C4くんの期待って素朴なんだよね。最強になりたい舞人くんと同じ「最強と戦いたい!」なの。
> チャンピオンなんだけど、結構ストイックというか、ノイズが少ないよね。根っこのところは。兄弟のことは色々あるんだけど。
● 作品が描こうとしているもの
資料の〔内容と所見〕とこ、各編でのストーリー構成上重要と思ったことをぬきだして書いたのね。重要なできごとがどこで登場して、どこで解決するか? というのを、図にしたらわかりやすいかと思ってうえのやつを書きました。
ほかにも細々した話はあるんだけれど、物語の軸になってるのは“奥義『天魔』”、“双子の確執”、“地雷とタクマの決裂”、“舞人とC4はライバル” ていう4つのことだけなのよ。
> 最初に提示される目標である「ライバル対決」を最後まで引っ張ることで話を迷子にさせず、そこまでに他の目標をクリアしたり、新たな目標が追加されたりすることで、主人公の成長を感じ取れる構成だと思いました(小並感)
うん。すごいのは、C4くんが天魔に興味をもったって言ったじゃない? だから、C4くんが天魔と対決するのかと思いきや、実際に天魔と戦うのは湧いて出てきたタクマの「B×B×B(ビー・キュービック)」っていう裏切りがあります。
あ、新たな目標ってないのよ。この話は天魔を完成させることと最強の男になる(=C4と対決する)って話しかないから。ただ、天魔がどういう技なのか? 最強って具体的にどういう人? という。冒頭に抽象的でよくわからないものを提示しておいて、物語を展開させるなかで具体化していくってことをしてる。
> 序盤のうちにキーワード開示して、物語を通してそこを突き詰めていくって、最初からとても計画的に練られたお話ですよ。プロい。
● ストーリーは舞人、プロットはタクマ
(謎の奥義『天魔』を具体的にしていくには……)天魔は、1)動きまくって相手を疲れさせ、技の精度を下げる 2)精度の下がった技を仕掛けられたところでカウンター技、ていう型だったかな? 天魔の型を実戦でこなすには、舞人くんに何ができる必要があるか? というのを順番に話している。
> 地力が要求されるテクニックですね。
舞人くんは、基礎体力がヤバイ、型を組み合わせる柔軟な発想力がある、スピリチュアルがヤバイ、習得した技術の精度を高めることができる、っていう説明が順々にされていく。
天魔の型を組み合わせるまでには、1)動きまくって相手を疲れさせる技 をなんかの精度を向上させて編み出すというエピソードもあります。
今回のまとめでは、いかにキーワードを語るかという話ではなく、ストーリー構成について話したかったから省略したんだけど。……キーワードというか、主人公の成長か。
> 遠かった目標(≒最強)に少しずつ近付いている、主人公の成長は不可欠な要素だけど、あくまで目的のために自ずとついてくるものであって、お話を引っ張っていく要素ではないよね。
舞人くんの成長が物語を展開させてはいないのよ。舞人くんの目標が天魔の会得ではない(最強 = 最強奥義じゃない)ってのもポイント…。あー! 構成の話だけだとそういうの全然話せないんだなぁ!
この物語の展開をひっぱってるのって、実は、K計画編で沸いて出てきたタクマさんなんだけど。タクマがラストバトルへ至る道筋をつくっていく材料が、先の“天魔”、“双子の確執”、“地雷・タクマの決裂”、“舞人C4がライバル” という4つなのですよーー!!
● 地雷とタクマの決裂
> ……実は地雷が誰だったのか覚えていない← C4がライバルならタクマさんはラスボスですね
地雷くん(涙) わたしが約20年間好きなキャラだったー! という気持ちを覚えていたキャラです。…地雷くんの補足が必要ですね;
> お願いします
地雷くんは、正道会館で特に強い門下生である四天王の一人。K計画で舞人くんと親交を深めます。しかし、彼の正体はビーストの一味で、やはり素性を隠して四天王として潜っていたタクマとは旧知の仲でした。
強くなりたくて、自分が昔通ってたジムをひとりで壊滅させたタクマに感銘を受け、自らビースト入りを志願しました。ビーストにいれば強くなれるという思い込みの強さは、タクマがビーストを教えてくれた時に広げて見せてくれた「BEAST」というロゴの入ったマントをねだって、ゆずり受け、身につけている姿に象徴されます。
> 板挟みじゃない?? マイトくんとタクマさんとどっちにつくんだよー!
ふふふふふ……。それが、『地雷とタクマの決裂の一件』なのよ! 地雷くんは、舞人くんと強さを競い合いたい! 「遊びたい!」と言って、ビーストの破壊工作により沈みかけている船からの脱出を拒みました。
なので、タクマは「おまえに、このマントはふさわしくない!」と、地雷くんからマントをぶんどって床に捨て、ひとりで脱出してしまいました、とさ。
> 年齢的には小学生相当だと思うんだけど修羅過ぎない?? 船が沈むって、わりと古今東西問わずにヤバい級修羅場ですよね。
小学生なのか、中二なのかわかんないけど。若さゆえの奔放さとでも思っておこう…。あとそれ以上に修羅場なところがあるんだな。
> どきどき
地雷くんにとってマントはビーストの強さ(けものの心)を身につけている、という象徴なのね。それをぶんどられたもんだから、《タクマさん、おれが″けものの心”を失ったっていうのかよ?》と、地雷くん、じぶんはまだやれるぞ! 強いぞ! て逆に気合入るんですね。
しかし、例のマント。タクマの私物だったものを、ねだられて、あげた、という経緯があるわけですね。果たして、タクマは、地雷くんがビーストにふさわしくないと見限ったのか、舞人くんを選んだのが癪に触ってやきもち焼いたのか。真相はいかに……?
> タクマの人間臭さ具合が気になるところです。謎というか介錯の余地というか、そういうのを残すのも作劇上の重要テクニックだと思います。実際どうなのよ! 気になっちゃうじゃない!
そういう謎を読ませる仕掛けが後に続いていくのですよ。次は、“双子の確執”の話をしましょう。
● C4とニトロ・双子の確執
練習試合中にC4の一撃で怪我を負い、選手生命を絶たれたニトロくんを、タクマは利用します。ニトロはC4を憎悪して向かっていく、C4はニトロへの負い目で殴れない…ていう陰惨な試合をタクマは仕向けている。悪い奴だ! タクマ!
タクマは関係性を利用することを平気でやる人、と印象づける“双子の確執”からの双子対決ですが、結局、双子は仲直りする。タクマの計画では、C4の体力が十分に消耗したらニトロを撤退(負けるように仕向ける)させて、自分が決勝でC4と当たって勝とうという算段だった。
> 利用するだけして使い捨てようってハラか。ワルイ奴じゃないかタクマ!
捨て駒なんて嫌だー、と言ってニトロ号泣しちゃうよ。C4くんも泣くよ。
…とりあえず、計画はうまくいくのよ。C4は体力を消耗した状態でニトロに勝利した。でも、双子が仲直りしたので、タクマは別の計画・奥義B×B×B(ビー・キュービック)の復活にC4の能力を利用しようと企てます。
> タクマさんC4くんのことすきなの??
…さあ? C4くんを島にさらって「わたしの実験台にする」と言い、「死ぬまで」逃がさないと言ってるから怪しいね。…や、冗談だよw ただ、ビーストの広告塔として決勝戦で倒す、という元の計画の話聞くとドライな感情という気はする。
“タクマ、C4くん好き疑惑”がでてきそうなところで、登場するアプサラスでもあり……
> 出たなヒロイン(ちがう)
や、実質ヒロインのような気もする。タクマさん、たぶんアプサラス好き。
…話がズレたけど、C4くんをおびき寄せるために、まずビーストを抜けた者は制裁がくわえられる! という恐ろしいビースト文化をC4くんに知ってもらわなければならないのですよ。
そこで、“決裂”してビーストを抜けたことになってる地雷くんをボコボコにします。タクマがニトロを利用したって言ったじゃない? 利用した = ニトロはビーストの一味に加わっていた、ということ。だから、ニトロもこうなるのかぁ…、という不安をC4くんに植え付けるの。
不安になったC4くんが自分のとこにサシで話をつけに来たところを、気絶させて、アジトの島に誘拐、という一連のことをタクマはやってのけたわけです。
> みせしめじゃないですかー!
地雷くんはボコられるのわかってたから死を覚悟していたんだけど、半殺しでした。「生きてた!」て地雷くんはびっくりしてましたね。この半殺しが、地雷くんへの情がまだあったからなのか、偶然なのか、というのが読ませるところです。
> あえてガチ殺しにしないことでC4に「交渉の余地がある」と思わせる戦略だったとか。……でも実際連載で読んでたら、情があったんじゃないかなぁと思ってしまう気がする。
タクマの情のありなしは、地雷くんとのやりとりだけ読んでても確証は得られないのよ。そこででてくるアプサラスなのよ。
(【後半】に続く)
《おまけ》
どーでもいいけど、地雷くん死んでもC4くんは交渉行くと思うけど、「せめてニトロだけは」って話、どうなんだろうか…
> ガチ殺しオンリーで交渉の余地が無いんだったら、ニトロ君をいったん核シェルターあたりに放り込んで、殺人罪で国家権力に訴えた方が早いんじゃないかとか思ってしまった。
治安組織とビーストの間には利権の問題があってもみ消されるみたいな設定があることにすると、何で警察行かないの? という疑問をクリアにできるよ!
2018年2月頃 記
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