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石炭を焚べられている

この数日、流行病に罹患してしまい床にずっと臥せっている。体温はとうとう40度を超え出し、解熱鎮痛剤をキメても38度台までしか下がらない。それでも不思議なもので、なんだかすごく「下がった!」感があり、体温計を見て絶望し、また具合が悪くなってくる。
蒸気機関車に石炭をどんどん焚べて、焚いて水を引っ掛けてまた焚べて、の繰り返しなのである。

この間、三島の春の雪や歌集、手を付けていなかった河合隼雄などを最初は読んでいたが、個人的に活字が読めるのは38度代前半まで。それより先は横たわってハァハァハァハァ荒い息をしては気を失う、の繰り返しなのだ。

その中でもとても楽しみなことがあった。
ある人がまだ公開していないブログを少しずつ読んだり、雑談しているアーカイブを聴き直すこと。
普段と話すことも雰囲気も少し違うのだが、発熱によるそこはかとない身体の怠さや、なんとなく心細い感じがかなり解消されてよく笑った。
ブログが面白い、と話したら加筆訂正されたテキストが送られて来て、わたしは彼のすっきりしている割に冗長で、どこに着地するかも途中までは本人もわからないのだろうなぁ、といった感じの文章がとても好きなので、気を失って汗をかいて起きてを繰り返している間に何度も読み返した。ちょっぴりセックスしているみたいでふふふ、となりながら。

38.7度、おやすみなさい。

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