MUCC 惡-the brightness world- 201X /2021年4月3日 新潟テルサ ライブレポート

※セットリストを含みます。
※レポート中のメンバー敬称は略しています。
※記憶を掘り起こしているので、MCが一言一句同じでなかったり、タイミングが実際と少し違うことがあるかもしれません。ご了承ください。

新潟テルサは2階席のないホール。後方になるにつれて自然なスロープの高さがつく。中野サンプラザに近い気がする。
席は下手マイクスタンドの正面あたりの後ろから7列目くらい。ステージサイドにはオーケストラピット中盤まで花道が伸びている。

新潟駅南口から路線バスに乗って15分ほどだが、路線バスの本数が新潟テルサでのイベントを想定されたものではないので、開場時刻頃の到着を目論んでバス停に行ってみたら、長蛇の列ができていた。目論見よりは少し遅れたものの臨時便のおかげで余裕をもって会場に到着できた後、会場限定ラババンとかわいいやつ2個を今日も購入した。(あと、あの子も一緒にやってきた)客席の明かりがすこしずつわかりにくいように暗くなっていく。定刻で開演のブザーがなる。

1. 惡-JUSTICE-

最初の「夢」を皮切りに漢字のライトが順番にともっていく。最後の「光」がミヤの後方で灯ると同時に惡のイントロが鳴る。客席のノリが私が行った武道館・仙台と違う。だんだんとライブ用の空気に仕上がってきている。
「始まりか終わりか」のところのベース・ギターのターンが本当に好きで絶対に見外せないポイントなのだけど、YUKKEが少しタメて大きく回した直後に最小半径で素早く回るミヤ、両者の対比が良い。
また、今回はミヤが右腕を上げるシーン(Dear crime soldierのところとか)が上ではなく横に広げるパターンだったことが印象に残っている。

2. CRACK

惡の終わりから間欠なく始まる。逹瑯がするっとドラムスタンドに腰掛ける。この曲も惡と同様に、武道館や仙台では立ち尽くして浴びる人が多かったが新潟では折り畳みが定着していた。

3. 神風Over Drive

SATOちを見続けた。ライブハウスだとどうしてもドラムの手元は見えにくいが、ホールの作りと高さのあるドラムステージはいい。シンバルとタムを移動する腕の流れがきれいで力強い。個人的にはこの曲は逹瑯からSATOちへの応援だと思い込んでいるから、一層力強いドラムに見える。

4.娼婦

変則パートでフロント3人がドラムのほうを向き、4人が向かい合って音を出している構図がとてもいい。MUCCだな、と改めて思う。「そこの角を右に曲がると」のところの客席が右を指さすことを初めて知った。次回までにマスターしたい。イントロの音がハネるところのピアノアレンジが面白かった。というわけで今日の娼婦は、娼婦2020。

5. G.G.

身長差のあるボーカルとギタリストというのはこんなにも尊いものなのか。YUKKEとサイドチェンジしたたミヤが、同じく下手で歌っていた逹瑯に突然肩を預け、弾きながら頭をごしごしとこすりつける。こすりつけられた逹瑯は「おや?」という反応をした直後に、ごしごしに合わせて誇張気味に声にワウをかける。ブラックラブのところかゴシックガールのところだったはず。ミヤの行進ステップは健在で、何度見てもいい。「唇で絡め捕って」の後のシャウトが少しだけ遅めで残念ながら聞き取れなかった。

6. 海月

海月の照明は縦長の四角で電球色~昼白色くらいの色度の照明が客席横や客席後ろを照らして水平に移動する。新潟テルサの内装も縦長の四角があるデザインで、照明と内装のマッチ感が強い。前半に時々ある青い照明では海の中にいるのかと思っていたが、後半の四角の照明でここは閉ざされた部屋で、私はだれかここから出ることができない人を俯瞰しているのではないかという錯覚を覚えた。その錯覚の少しあとに「ここから私を見つけて」という歌詞が続く。物語がある演出だった。「さぁ踊りましょう」あたりのミヤのステップがあまり見たことがない感じだった気がする。演出への感想を前面に出すことで、いつの間にかジャケットを脱いで剥き出しになった逹瑯の肩~腕をガン見していたことを隠そうとしている。20代の頃はこの腕がもっとほっそりとしていたんだろうか、、などと思いを巡らせつつ、40代の腕はそれもまたいいものだ。

7. アイリス

緑の照明が相変わらずかっこいい。配信ライブ、武道館、仙台は曲終わりのシンセサイザーの音が叫びのように鳴り響くだけだったのが、ギターとベースの叫びも乗っていた。ツアーにおける演奏の進化というものは面白い。だから複数公演へ行くことを止められない。うずくまってボードをいじる石岡組を眺める至福の時間が生まれた。マイクを通さない逹瑯のシャウトが生々しい。

-MC-

石岡組はステージ裾へいったん捌け、スタッフがエフェクタ回りを少し調整しつつ、ひたすらに床を拭いていた。今日の新潟は汗がすごいのかしら。っ両サイドの後に逹瑯のポジションもしっかり床を拭くスタッフの傍らで、逹瑯がドラムステージに置いていたジャケットを再び羽織るシーンをじっと見守る客席。顔を上げたときに拍手と鳴り物が鳴る。そこで着終わった逹瑯がひとこと「おっちゃんおべべびちょびちょや」。
新潟は久しぶりですね、楽しんでますか?新潟はシャイボーイシャイガールが多い印象だったけど、今日のライブが終わるころにはその服も、顔も、マスクも、びちゃびちゃにしてしまおうと思います。笑って泣いて踊って楽しんで、MUCCのライブに来たんだなと実感して帰ってください。というようなことを言っていた。

8. ファズ

ファズは盛り上がる。とかく盛り上がる。そして毎回、投げ捨てられるブルースハープの耐久性を心配してしまう。この時もミヤのステップが不思議な新種だったような記憶がある。右足を軸にして左足は地面につけないまま、上手の方向にスライドしていく動き。それと、後ろを振り返っていたとき、左右の足を交互にはね上げて外回しをする動きもしていた気がする。いつかミヤのステップ一覧を作れるくらいのベテラン夢烏になりたい。画力が欲しい。あと、逹瑯の腰を振って踊っている様子は何度見ても楽しい。アップライトを弾くYUKKEの手が大きく振りかぶるタイミングが掴めずにいる。アップライトの奏法について詳しくなりたい。フロント中央で石岡組が音を鳴らす光景も何度見てもいい。

9. Friday the 13th

小走りにマイクスタンドを取りに行って戻ってくる逹瑯があざとい。間奏のトオルのパートで逹瑯の後をついて煽りに行くミヤが可愛い。毎度のことながらかわいい。今回は煽りにいったミヤのあえてすれすれを通るようにして逹瑯が前に戻ってきたのがよかった。中指を立ててたのはこの曲だったかな。

10. SANDMAN

Friday~からSANDMANへの切り替わりが華麗。一瞬の静寂の後に少しだけ音がなって、次がこの曲とわかる。この曲が来るとわかっていながらベースの一音目のビリビリに痺れる。

11. メディアの銃声

おそらく、私がライブで聴くのは初めてだ。"MUCCっぽさ"の1つである"昭和歌謡が持つ哀愁テイスト"が、ライブだとより際立つ。ミヤの間欠的なカッティングが良い。2番に入って突然に倒れこむ逹瑯。ミヤはそれをチラと横目で見ながら演奏に戻る。倒れこんだあと暗い歌詞を歌唱しながら床をバンバンと手でたたく逹瑯、このフロントマンは本当に身体を使ったパフォーマンスが映える。「遠くの銃声」のときに上手ステージ(なのでざっくり言うとミヤのほう)に銃を放つマイムも迫真だ。

12. 落陽

曲前に「明星と同じ時に、もう一つの新曲を作りました」というMCは仙台と同じだったが、この直後に客席から拍手が続く。少し笑みを浮かべながら客席をじっと見て、拍手が鳴りやむタイミングでタイトルを口にする逹瑯が印象的だった。仙台の後はこの曲が未練たらたらの曲だと思ってnoteにもそう書いたが、案外そうでもないかもしれないという印象を得た。歌詞の一言一句を追いかけ切れていないけど、絶望の始まりというか、前に向かっていくためにあえてその時点を歌としてアウトプットしたというか、そんな印象を抱いた。前に進むための絶望。明星は宵の明星のことを指すと思っているのだけど、同じ夕暮れでも「落陽」と取るか「明星」と取るかで大きく違う。最初は後ろ向きな表現をしていても、だんだんと消化できてきたときには明星という輝くものに気づけるようになる。落陽から明星の間にはいくつもの夜と朝があって、いろんな葛藤を繰り返した後の同時刻なんだろうと勝手に想像している。もしかしたらスピカは落陽の直後の朝のことを明星からさらに時間が経過したところから振り返っているのかもしれない。
仙台のときは曲にばかりとらわれていたが、メンバーそれぞれの影さえも見失うほどにフロントの照明が消える演出がドラマティックだ。後ろ向きなんだけど強い。

13. アルファ

落陽の印象が変わったことで、アルファの居場所の違和感も少し解消された気がした。落陽のことを覚悟した絶望だと考えると、アルファはそこに寄り添う優しさ。冒頭のギターのディレイがいつもより強く聞こえた。

-MC-

(ここで話したか、別のところで話したか記憶があいまいです)
逹瑯「ツアーも始まったばっかりだと思ってたら、もう地方公演は新潟が最後です。東京はもう桜が散ってて、地方に出ている間に満開を逃しちまったなーなんて思ってたら、新潟は今が満開だね。この会場は駅からのアクセスが良くなくて、みんなも来るのが大変だったと思うけど、この会場で満開の桜が見えて(駐車場に桜の花がたくさん植えられている)、ツアーで全国を回る仕事をしていてよかったと思った。そして今日こうやってライブができること、いろんな人に感謝しています」
その後ドラムステージの方を向いて少し下がった後に振り向き「人に感謝できるなんて……成長しちまったな。MUCCの成長を一緒に見えていいでしょ。これからもお互いに成長していきましょう」というようなことを逹瑯が言っていた。

14. スーパーヒーロー

この曲の間、逹瑯が客席上方に向かって歌うのと同じ方向をミヤも見ているのが好きなのだが、曲の終わりで今日はYUKKEが同じ方向に手を振っていた。同郷バンドは良い。こういうところが良い。逹瑯が下手花道に出てきてくれたのはこの曲だったか・・?

15. DEAD or ALIVE

SUGIZOオマージュのような例のギターソロが始まる直前に逹瑯が「ミヤ!」とメンバーコールをしたことに興奮した。

16. 目眩 fear.暁 (ex.アルルカン)

暁のパフォーマンスは初見で、Clubhouseで逹瑯と話しているときの真面目な(という表現をご本人が嫌がった結果、小難しいと揶揄されていたけど笑)印象しかなく、冒頭のデスボイスで度肝を抜かれた。話している時と全然印象が違う。かと思いきや、I need you と歌う逹瑯に応えて I love you ♡と歌い返すときはあざといかわいい声を出す。バンドマンっぽい魅力的なギャップがあるボーカルだった。逹瑯が以前に暁に言っていた「自信が持てないやつが自信を持ちたいって葛藤しながらバンドをやるのもいいことだと思うよう」という言葉を思いだした。イントロ、中盤といとも簡単にドラムステージに飛び乗り、軽々と飛び降りる。若さってすごい。呼び込みのときに「新潟まで来てくれました!ちっこいのを呼び込みます」というような逹瑯の声で現れた暁が思っていた以上に小柄で、白いシャツにハイウエスト気味の黒いパンツが余計に華奢に見せる。「愛苦しいと嘆いては」のところで逹瑯の愛撫を受け、ひざまずき、「犯した罪の」のところで足蹴にされて後ろに倒れこむ。V系はいい。暁はメンバー全員に積極的に絡みに行く。ミヤとも向かい合って何かコンタクトを取っていた。背のバランスがいい。(逹瑯と並んだときも同じことを思うわけだけど。)その後YUKKEのほうに向かおうとした矢先、ミヤからの頭突きを受ける。YUKKEも暁を察して近づきつつあったため、受けた頭突きでよろけて見せたら図らずもYUKKEにぶつかる、という流れになった。V系はいい。

17. ニルヴァーナ

暁リクエストの選曲。手拍子が気持ちいい。手拍子を見ているYUKKEの表情がいい。暁の声は逹瑯の声と妙になじむ。意外と同成分の声質なのかもしれない。

18. My World

新潟特有の感想はない、なぜならMy Worldは感覚がはじけ飛んで、楽しいという記憶しか残らないからだ。本編の、ある意味クライマックスだと思っている。この曲は兎に角、兎に角バカ騒ぎがしたい。

19. スピカ

仙台に続く2回目で、セットリストはもう知っているのに、My Worldからのスピカが本当にさみしい。夢はいつか終わる、そしてその夢の終わりは必ず突然やってくる。今回のツアーはスローな曲がスピカしかないので、この「スローで優しい曲に対して爆音で存在感があるのに何故かMUCCだとしっくりくる、優しく力強いSATOちのドラム」を堪能することに集中した。SATOちの音は激しいけど優しい。

アンコール1

-MC-

(後半の流れにあまり自信がありません。高校の話の後に新潟の話をしたかもしれません。)
SATOちと逹瑯が2人で登場。逹瑯はマイクをもってドラムステージの右端に位置を構える。SATOちさんどうですか?新潟ですよ?というところからMCがスタート。
SATOち「昨日俺、散歩に行ったの。googleマップを見ながらさ、あの、矢印が出るじゃん」(ドラムのところから逹瑯だけを見ながら)
逹瑯「俺に向けてだけ話すなよ」
SATOち「(前方を向いて)あのさ、あのー、行きたい場所までの矢印が出るじゃん。それと違うほうに行くの!」
逹瑯「あー、今いる場所と行きたいところの大体の場所がわかってるから、googleマップのナビに従わずにあえて遠回りするってことね」
SATOち「そう!」
逹瑯「で、どうだったの?散歩は。面白いもんあった?」
SATOち「無かった!」(思い切りが良すぎる)
SATOち「あっ…でもさ、用水路あんじゃん?あれはあった!」
逹瑯「ああそう」
SATOち「俺らの地元にはあったじゃん、田んぼの横の。カエルとか鳴いてる。鳴いてなかったけど(今は、の意味だと思われる)」
逹瑯「まーな、だってここ、新潟だよ!?昨日新潟で一番楽しい場所はここだったし、今日新潟で一番楽しい場所はここだからな」
逹瑯「あの隣の高校はなに?すごい名前だね!東京学なんとかなんとか新潟って。あれなに?"ラフォーレ原宿新潟"みたいなもん!?東京にも学校があるの?」
客席「(鳴り物の音)」
逹瑯「それ(鳴り物)じゃあ答えらんねーよな!あの学校の出身者いるの?鳴らしてみ?」
客席下手後方で1人だけ音が鳴る。
逹瑯「いるんだーーーー!まああんまりバカな学校だと自ら言えねーよなと思ってたけど、あの学校バカなの?」
客席「(鳴り物の音)」
逹瑯「それじゃあ答えらんねーよな!」(もうこれ確信犯)
逹瑯「まあ、俺らの学校も相当バカだからな!」
SATOち「あのさ!入りのときにさ!野球部いた!?」(唐突)
逹瑯「は!?野球部?」
SATOち「入りの時にもう野球部いたっぺ。早くからすごいね」
逹瑯「いや、学校ってはえーだろ始まるの。しかも朝練とかあるしそりゃあはえーよ」
SATOち「そっか」
逹瑯「そういえばさー、俺らって高校に通うのにチャリで片道50分もかかってたじゃん。それでさー、土曜の授業がまだあったけど2時間とかだったじゃん。2時間のために往復2時間もかけて学校いってたんだなー。しかもさー、高校で水泳の補習に出なくちゃいけなくて、あっちぃのに汗だらだらで1時間のプールのためだけに往復2時間かけて学校いったことあるわ」
SATOち「なんで水泳の補習受けたの!?」
逹瑯「だってめんどーだったんだもん。でもさぼったせいで余計にめんどーなことになったわ。あ、田所っていたじゃん、2年のときに」
SATOち「田所先生?」
逹瑯「そうそう担任の。俺さー、めんどくさくて早退してたんだけど、早退するって職員室に言いに行ったら連続3日目くらいに田所が怒ってビンタされて、それで右の鼓膜やぶけたんだよ。そのおかげで水泳の補習が全部免除になったww。今だったらおおごとだけど、当時の俺はラッキー、補習受けずに済むー♪くらいの感じだったんだよな」

というあたりでYUKKEとミヤが登場。きたきた、と逹瑯。

YUKKE「なに?今日は高校の話をしてるの?」
逹瑯「そうだけど全然違う話題にしてもいいよ」

からの、YUKKEがハンドベルを取り出す。どうやら毎回楽器はスタッフが用意してくれるらしい。ハンドベルを鳴らそうとするんだけど、4つくらいをもって鳴らそうとするから、3つを左手に持って1つを右手に持って鳴らす1音目はうまくいく、でもその後は鳴らしたベルを右手に持ったまま次のものも右手に持って鳴らそうとするからうまくいかずグダグダに。
YUKKE「うーん、俺だな」(俺らしいグダった空気になったなという意だと思われる)
その後、鳴らしたハンドベルを1つずつ床に置いていきながら音階を作るYUKKE。チリーン…かぽっ(床に置く音)……チリーン…かぽっ、とやりながらもなんとかメロディーを奏でる。逹瑯からタイトルを促されて、「星のテルサ」と命名していた。ドシラソファシドとかだったような。
ミヤ「それってみんなで1つずつ持って演奏するもんなんじゃないの?」
逹瑯「今日ハンドベルもってきている人いる?」
客席「(中央~上手付近で一人だけチリーンと、ハンドベルというか呼び鈴のような高音)」
逹瑯「いたわ!でもすんげえ高音だな!YUKKEが持ってるやつの一番高いやつより高音のやつだわ笑」
逹瑯「今日、太鼓持ってきたやついんの?鳴らしてみ?」
客席「(前方中央付近で)ぽこぽこ」
逹瑯「おまえだけか!笑笑。太鼓の音、もっと聞こえた気がするんだけどなー」
実際には、アンコールのときはもっとなっていた気がする。
そこでまた話題が切り替わる。
ミヤ「アルルカンってあんまり低い音の曲ないじゃん。暁がさっき低音で歌ってるの聴いて、キリトさんに声が似てるなって思いながら演奏してた。なんかいいね」
暁はずっと裾で見てくれてたらしい。次の日は埼玉でライブがあるという話も出た。
この話題はここで終わって、新潟の話になる。
逹瑯「どうですかトオルさん、新潟は」
トオル「新潟ね、10年ぶりくらいなんだよね」
逹瑯「あれ?収監は?」
トオル「北陸収監は行ってないんだよねー。サポートでも最近は金沢に行くことが多くて。あ、でもお酒が美味しくて飲み過ぎちゃうから呼ばれないのかも。まだ飲んでないから終わったらたくさん飲む!」
逹瑯「お、じゃあ今日が初トオルっていう人いるんじゃない?」
客席「(ちらほらと鳴り物の音)」
逹瑯「おおーー、ほら、新潟のみなさんトオルだよ!トオルだよー!(指さしながら)」
微笑むトオル。(確か両手で手を振ったような)
YUKKE「新潟はいつも盛り上がるよね」(それは前半の逹瑯のMCと逆のことを言っているのでは、と当時の私は思った)
逹瑯「そうだな、(細かい言葉を忘れてしまったけど、一度火が付くとすごく盛り上がる、というような返し)」(うまく統合したな、と当時の私)
メンバーのだれか「新潟と言えば、赤く塗ったよな昔」
ミヤ「JUNK BOXっていうライブハウスがあってさ。営業最終日が俺らだったからって言ってみたらいいよって。」
YUKKE「新潟のバンドじゃないのによくやらせてくれたよね。」
逹瑯「珍しいよね、当日に会場入りしてからやるのが塗装だよ?」
YUKKE「前日入りして塗ったんだよ」
ミヤ「あれさー、激痛って書こうとしたら」
YUKKE「漢字間違えたよね」
逹瑯「しかも俺らペンキなんて塗ったことないから端っこから塗っていくわけ、そしたら真ん中で最後出られなくなるんだよな」
ミヤ「昔まだ自分たちで運転してたころインストで来た事があって、でも未だあまり経験もなくて雪が降ってきてたのにノーマルタイヤできちゃってさ、もう50人くらい並んでる目の前で機材車がスリップしてぐるぐるーーって回ったことある」
YUKKE「かっこいい」

逹瑯「だらだら話を続けてると次の曲かわっちまうからな。(大阪の時にもしかして曲が変わった?ロットンが何とか、と言っていたような気がする)そろそろ曲いきますか?」

20. 家路

家路も娼婦と同じで、変則リズムになるときに向き合うところとか、合わせてジャンプするところが良い。MCのSATOちの用水路とカエルのくだりをふいに思い出す。もしかして伏線だったのかSATOち……と一瞬思ったが、そもそも原風景が同じなバンドで、変わらないものと変わらないものがある中で、変わらないもの中にSATOちのモノの見方やMCに出す話題があり、そういう歌が愛されていてこうしてライブの定番曲になっているということだ、と今これを書きながら思っている。

21. 夕紅

イントロのミヤの一音目で客席の雰囲気が変わった。その後のSATOちのカウントで驚きと歓喜の空気は爆発した。さみしいけど歩いていこうとするやけに明るい歌は、こうしてまた意味を持って成長していくのだと実感した。

22. 蘭鋳 fear.暁 (アルルカン)

曲前に「ずっと裾で暁が見てくれてんだよ。次の曲もいけんだろ」といって逹瑯が暁を呼び込み曲がスタートした。イントロのところに乗せて「明日はアルルカンの埼玉のライブに行くやついるのかなー?」といったところで"蘭鋳!"へ到達。このツアー恒例になっている、SATOちの全員死刑コールがやってくる。全員を座らせるとSATOちが「ドラムステージがいつもより高くて、会場が低いから、ものすごく高い!」と言う。暁が前列の観客がSATOちを見る視界を遮ってしまうことに気づき、少し右往左往してみた結果、ステージに仰向けで寝転ぶことにした。それを見ていた逹瑯は「おまえら(逹瑯のすぐ前の客席に向かって)、SATOち見えねーだろ?……どかねーよ(いじわる)」と宣いながらも少しだけ背中を丸める。丸めつつ、寝そべっている暁の股間を攻撃する。背中を丸める言い訳だったのかもしれない。満を持してのコールは「いいかーーーーーー!!!!おまえらーーーーーーー!!!!全員っ!!……………ハイ、死刑☆」だった。かわいい。
ここで捌けるときに、逹瑯、YUKKEが先にはけ、下手で客席に挨拶をしていた暁に上手から歩いてきたミヤが近づく。ミヤと暁が接触した後、ミヤが先にはけて、もう一度丁寧にお辞儀をした後に暁が捌けた。この接触がアクシデントなのか、ミヤがおしりをさわったのか、もう少し近くでしっかり見極めたかった。その後、ドラムステージから降りてきたSATOちが手を振りながら捌けてアンコール1のパートは終了した。

アンコール2

ここの内容を全く思い出せない、もしくは勘違いして他のところに書いてしまっているかもしれない。

23. 優しい歌

「それぞれ違う空の下で」を「桜の新潟で」と歌い替えてくれた。仙台のときよりラララパートがスムーズに進行されていくようになっていた。こういうところでもやはり、単発ではなくてツアーの醍醐味を感じる。YUKKEがアレンジを変えて自滅するところを初めて見て愛おしかった。それに動じずミヤがすっと自分の番に変える。SATOち1回目が終わるときに逹瑯が「SATOちはもう一回!」と素晴らしいスムーズさだ。SATOちの歌は優しい。携帯電話のライトをリクエストするときの「スマホのライト光らせろコラァ」という謎のけんか腰は健在。

24. ハイデ

逹瑯がMVと同じように右足で立って両手を広げてケンケン状態で右回りで跳ねる。家路でもふれたとおり、同じ原風景を共有するバンドが奏でる、同じ故郷の歌は、なんて体温があるのか。

25. 明星

明星を浴びたときの私の感情が会場ごとに違う。武道館は受け入れられない気持ち、2回目の仙台は変わらない現実を受け入れて悲しむ気持ち、3回目の新潟は少しだけ前向きな気持ち。この時に、今日のライブはまだ一回も涙が出ていないことに気づいた。追加席のチケットが取れたことと、"ツアーの楽しみ"というものを1年数か月ぶりに味わったからだと思われる。前回からのブラッシュアップ、入れ替え曲、前回に見逃した箇所を見逃したくない貪欲さ、そういう楽しみがツアーにある。私は新米夢烏なので、ツアーで複数回のライブに行ったことがなかった。収監は浜松と恵比寿に行ったけど、少し壮大なので別物ととらえている。今回、このメンバーでツアーを開催してくれて本当にありがたい気持ちでいっぱいである。曲が終わって、ミヤがステージ後方に大きくピックを投げ上げたのが印象的だった。

あとがき

明星のところでも触れたとおり、今回は"ツアーの複数回目"という楽しさが勝って、ほとんど悲しい気持ちになることなく過ごせた。バンドの空気がとてもいい、と発表直後に逹瑯が言っていたように、このツアーにおいてもバンドの空気がとてもいい。話題が尽きずにMCが長くなり、アイコンタクトを取り、お互いをフォローし、ちょっとテンションが上がり過ぎて少しミスをする。(ミスをする原因が興奮などのポジティブな材料であれば、それもライブの醍醐味だと思っている。)新米夢烏の私にとって、MCのあのぐだぐだ感(褒めている)は未だ新鮮なのだが、SATOちの会話を拾いつつも、突っ込みつつしている逹瑯のMCお世話感が愛おしい。新しい雑誌やウェブのインタビューを読み漁って得た雑感として、SATOちが結成当時から変わらない部分には良い部分と悪い部分があるという思いを勝手に抱いている。その勝手な思いを持ちつつ新潟のライブでぼんやり思っていたのは、SATOちが変わってしまってはMUCCはムックでなかったし、SATOちが変わらずにいられたのは、他のメンバーが逹瑯とYUKKEとミヤだったからだということだった。MCと新潟のライブの空気がそう思わせた。

そのほか、どの曲の時か忘れてしまったのだが目に焼き付いているシーンを箇条書きにする。
・サイドチェンジしようとしていた石岡組とステージ中央にいた逹瑯が三つ巴になりかけ、一瞬だけお互いが「どう動く…!?」って対峙した後スムーズに交わした。
・序盤の曲の途中でミヤがピックを左下のほうに投げ飛ばしたというか投げつけた。調子が悪いピックだったのか…?
・下手にいたミヤが最小半径で高速連続3回転を決めていた。
・下手のステージ前端でギターを弾いていたミヤがコーラスに入ろうとしてYUKKEのボードをぴょんっと飛び越えた

おまけの写真

①バスセンターで蕎麦を食べたかった人(左)とカレーを食べたかった人(右)が、それぞれお互いの食べ物を気にしちゃってるところ

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②新潟テルサに到着していぬちオマージュをささげる人たち

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③終焉後、「東京学なんとか新潟」を発見した

画像3

④同じく終焉後、MCを思い出しながら桜を見上げる2人

画像4

⑥翌朝、ごはんを食べていると……仲間が増えていた(無言で驚く左の人)

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画像6



==== セットリスト =====
MUCC TOUR 202X 惡-The brightness world @新潟テルサ
2021.03.07
ゲスト 暁(アルルカン)

1. 惡-JUSTICE-
2. CRACK
3. 神風Over Drive
4.娼婦
5. G.G.
6. 海月
7. アイリス
-MC-
8. ファズ
9. Friday the 13th
10. SANDMAN
11. メディアの銃声
12. 落陽
13. アルファ
-MC-
14. スーパーヒーロー
15. DEAD or ALIVE
16. 目眩 fear.暁 (アルルカン)
17. ニルヴァーナ fear.暁 (アルルカン)
18. My World
19. スピカ

アンコール1
20. 家路
21. 夕紅
22. 蘭鋳 fear.暁 (アルルカン)

アンコール2
23. 優しい歌
24. ハイデ
25. 明星


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