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第57回気象専門勉強 問11~15 1/9

第57回気象予報士専門試験
問11 早期注意情報

気象庁が発表している警報・注意報および早期注意情報(警報級の可能性)について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)警報は、重大な災害が発生するような現象が実際に観測または解析されたときに発表されることとなっている。
(b)翌日の明け方に警報級の現象が予想される場合には、夕方の時点で「明け方までに警報に切り替える可能性が高い」ことに言及した注意報が発表されている。
(c)早期注意情報には、「高」と「中」があり、「高」は警報級の現象の発生する可能性が高いことを表し、「中」は注意報級の現象の発生する可能性が高いことを表している。

(a)
実際に起ってから警報が発表されたら困るので


(b)
その通り、だが夕方に発表していてほしいものです


(c)予報は確率がほとんどなので「高、中」は起こる可能性の「高、中」なので


正解は④

資料
気象庁|気象警報・注意報 (jma.go.jp)
気象庁|早期注意情報(警報級の可能性) (jma.go.jp)

早期注意情報(警報級の可能性)

 警報級の現象が5日先までに予想されているときには、その可能性を「早期注意情報(警報級の可能性)」として[高]、[中]の2段階で発表しています。警報級の現象は、ひとたび発生すると命に危険が及ぶなど社会的影響が大きいため、可能性が高いことを表す[高]だけでなく、可能性が高くはないが一定程度認められることを表す[中]も発表しています。
 大雨、高潮に関して[高]又は[中]が予想されている場合は、災害への心構えを高める必要があるとされる警戒レベル1です。最新の防災気象情報等に留意するなど、災害への心構えを高めてください。

 翌日までの「早期注意情報(警報級の可能性)」は、定時の天気予報の発表(毎日05時、11時、17時)に合わせて、天気予報の対象地域と同じ発表単位(○○県南部など)で発表しています。また、2日先から5日先までの「早期注意情報(警報級の可能性)」は、週間天気予報の発表(毎日11時、17時)に合わせて、週間天気予報の対象地域と同じ発表単位(○○県など)で発表しています。これらは、雨、雪、風、波、潮位を対象に発表しています。
2日先から5日先までの「早期注意情報(警報級の可能性)
 2日先から5日先までの「早期注意情報(警報級の可能性)」は、台風・低気圧・前線などの大規模な現象に伴う大雨等が主な対象です。  [高]や[中]が発表されたときは、心構えを早めに高めて、これから発表される「台風情報」や「予告的な府県気象情報」の内容に十分留意するようにしてください。

翌日までの「早期注意情報(警報級の可能性)」
 翌日までの期間の「早期注意情報(警報級の可能性)」は、積乱雲や線状降水帯などの小規模な現象に伴う大雨等から、台風・低気圧・前線などの大規模な現象に伴う大雨等までが対象です。  [中]が発表されたときは、可能性は高くはありませんが、命に危険が及ぶような警報級の現象となり得ることを表しています。これをもって直ちに避難等の対応をとる必要はありませんが、深夜などに天気が急変して突然警報が発表されても、あわてずに対応できるよう、あらかじめ心構えだけは高めておいていただく、といった活用が考えられます。  [高]が発表されたときは、危険度が高まりつつあり、「警報に切り替える可能性が高い注意報」や「予告的な府県気象情報」がすでに発表されているか、まもなく発表されることを表しています。命に危険が及ぶような警報級の現象が予想される詳細な時間帯を気象警報・注意報等で確認するようにしてください。  なお、[高]や[中]が発表されていなくても、天候の急激な変化に伴って警報発表となる場合もありますので、警報発表時の対応を普段から考えておくことが大切です。

気象庁HP
早期注意情報より


第57回気象予報士専門試験
問12 高解像度降水ナウキャスト

気象庁の高解像度降水ナウキャストについて述べた次の文(a)〜(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。なお、高解像度降水ナウキャストは気象庁ホームページの「雨雲の動き」のページで提供されている。

(a)高解像度化と速報性を両立するために、60分先までの予測期間のうち前半30分は、陸上と海岸近くの海上では250mの解像度により降水を予測し、その他の海上では1kmの解像度により降水を予測している。
(b)降水域の内部を立体的に解析するために、気象ドップラーレーダーの観測データや雨量計のデータを利用しているが、ウィンドプロファイラやラジオゾンデの高層観測データは利用していない。
(c)3次元的に降水分布を追跡する手法や、気温や湿度等の分布に基づいて雨粒の発生や落下等を計算する手法を導入している。

(a)
その通り


(b)
そんなわけがない


(c)
その通り

正解⑤

資料
気象庁|高解像度降水ナウキャスト (jma.go.jp)

高解像度降水ナウキャスト

高解像度降水ナウキャストとは
 高解像度降水ナウキャストは、気象レーダーの観測データを利用して、250m解像度で降水の短時間予報を提供します。
 気象庁は全国20箇所に気象ドップラーレーダーを設置して、日本全国のレーダー雨量観測を行っています。 このドップラーレーダー観測網は、局地的な大雨の観測精度の向上を図るため、平成24~25年度にレーダー観測データの距離方向の解像度を従来の500mから250mに向上させるための機器更新を行いました。
 高解像度降水ナウキャストは、これら気象ドップラーレーダーの観測データに加え、気象庁・国土交通省・地方自治体が保有する全国の雨量計のデータ、ウィンドプロファイララジオゾンデの高層観測データ、国土交通省レーダ雨量計のデータも活用し、降水域の内部を立体的に解析して、250m解像度の降水分布を30分先まで予測します。

高解像度降水ナウキャストの実況解析

 従来からある降水ナウキャスト(以後、降水ナウキャスト)が気象庁のレーダーの観測結果を雨量計で補正した値を予測の初期値としているのに対し、高解像度降水ナウキャストでは、気象庁のレーダーのほか国土交通省レーダ雨量計を利用し、さらに雨量計や地上高層観測の結果等を用いて地上降水に近くなるように解析を行って予測の初期値を作成しています。 なお、降水ナウキャストでは予測初期値を実況値と呼ぶのに対し、高解像度降水ナウキャストでは解析値あるいは実況解析値と呼んでいます。

高解像度降水ナウキャストの予測手法

 降水ナウキャストが2次元で予測するのに対し、高解像度降水ナウキャストでは、降水を3次元で予測する手法を導入しています。 予測前半では3次元的に降水分布を追跡する手法で、予測後半にかけて気温や湿度等の分布に基づいて雨粒の発生や落下等を計算する対流予測モデルを用いた予測に徐々に移行していきます。

 また、高解像度降水ナウキャストでは、積乱雲の発生予測にも取り組んでいます。 地表付近の風、気温、及び水蒸気量から積乱雲の発生を推定する手法と、微弱なレーダーエコーの位置と動きを検出して、微弱なエコーが交差するときに積乱雲の発生を予測する手法を用いて、発生位置を推定し、対流予測モデルを使って降水量を予測します。

高解像度降水ナウキャストの解像度
 観測及び予測データの高解像度化は、データ容量の増加をもたらします。 高解像度降水ナウキャストでは、高解像度化とナウキャストの速報性を両立するために、陸上と海岸近くの海上では250m解像度の降水予測を、その他の海上では1km解像度により降水予測を提供します。
 また、高解像度降水ナウキャストは250mの予測期間は30分ですが、予測時間35分から60分までは、30分までと同じアルゴリズムで予測した1kmの解像度で予測を提供しています。

気象庁HP
高解像度ナウキャスト



第57回気象予報士専門試験
問13 予報精度

下表は予報区Aと予報区Bにおける降水の有無の予報と実況の分割表である。これらの表を用いた予報精度の評価について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)「降水あり」予報の適中率は、予報区Aより予報区Bの方が高い。
(b)降水の有無の適中率は、予報区Aより予報区Bの方が高い。
(c)降水ありのスレットスコアは、予報区Aより予報区Bの方が高い。

(a)
「降水あり予報」の的中率なので 降水あり/降水あり予報
Aは5/10 
Bは4/6
Bが高いので


(b)
AもBも予報数は100
降水あり予報で降水ありの数と降水なし予報で降水なしの数を計算すると
Aは5+75=80
Bは4+80=84
なのでBが高い


(c)
スレットスコアとはありきたりな現象(この場合降水予報なし降水なし)を引いた数を分母にする。
Aは分母が100-75=25になり
Bの分母は100-80=20となる
Aは5/25=0.2
Bは4/20=0.2
となり同じであるので

正解➁


第57回気象予報士専門試験
問14 流域雨量指数

気象庁が作成している流域雨量指数について述べた次の文(a)〜(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a)流域雨量指数とは、河川の上流域に降った雨により、対象地点の洪水リスクがどの程度高まるかを把握するための指標で、洪水警報の「危険度分布」に用いられている。
(b)流域雨量指数は、降った雨が地表面や地中を通って河川に流れ出す量をタンクモデルで計算し、河川を流下する量を運動方程式を用いて計算したもので、降った雨が時間をかけて河川に流れ出し、対象地点に流下するまでの時間差を表現することができる。
(c)現在の洪水警報・洪水注意報の発表基準の気象要素には、流域雨量指数が用いられており、雨量は用いられていない。基準値は過去の洪水災害発生時の流域雨量指数の値をもとに設定されており、流域雨量指数の実況地や予測値とこの基準値を比較することにより、洪水リスクの高まりを把握することができる。

(a)
その通り


(b)
その通り


(c)
その通り

正解は⓵

参考資料
気象庁|流域雨量指数 (jma.go.jp)

流域雨量指数とは、河川の上流域に降った雨により、どれだけ下流の対象地点の洪水危険度が高まるかを把握するための指標です。
 流域雨量指数は、全国の約20,000河川を対象に、河川流域を1km四方の格子(メッシュ)に分けて、降った雨水が、地表面や地中を通って時間をかけて河川に流れ出し、さらに河川に沿って流れ下る量を、タンクモデルや運動方程式を用いて数値化したものです。流域雨量指数は、各地の気象台が発表する洪水警報・注意報の判断基準に用いています。
 流域雨量指数そのものは相対的な洪水危険度を示した指標ですが、流域雨量指数を洪水警報等の基準値と比較することで洪水災害発生の危険度(重大な洪水災害が発生するおそれがあるかどうかなど)を判断することができます。この洪水警報等の基準値は、過去の洪水災害発生時の流域雨量指数値を調査した上で設定しているため、指数計算では考慮されていない要素(堤防等のインフラの整備状況の違いなど)も基準値には一定程度反映されています。洪水災害発生の危険度を判定した結果は「洪水警報の危険度分布」で確認できます。



気象庁|洪水キキクル(洪水警報の危険度分布) (jma.go.jp)

「流域雨量指数」を用いた洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)

 気象庁では、河川の上流域に降った雨により、どれだけ下流の対象地点の洪水災害リスクが高まるかを把握するための指標として「流域雨量指数」を用いています。流域雨量指数そのものは、値が大きいほど洪水災害リスクが高まることを示す相対的な指標であり、重大な洪水災害のおそれがあるかどうか等を判断するには、これだけでは十分ではありません。
 そこで、過去の洪水災害発生時の流域雨量指数の値をもとに基準を設定し、この基準と比較することで、災害リスクの高まりを把握します。過去の災害実績をもとに統計的に基準値を設定することで、流域雨量指数そのものの計算には考慮されていない要素(貯留施設等の影響)も、基準値には一定程度反映させることができます。
 洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)は、流域雨量指数の値が基準に達したかどうか、基準に達する予想かどうかで色分けして地図上に示したものです。

気象庁
洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)

第2章 大雨・洪水警報に用いている「指数と基準」の精度検証*
chapter2.pdf (jma.go.jp)

(c)の問題で、現行基準では雨量が用いられていない事は分かるのだが、どうも証拠がなかった。それが分かった。

chapter2.pdf (jma.go.jp)

この図の下に現行基準(表面雨量指数)と旧基準(雨量)という言葉があった。パソコン画面をスマホで写したので模様のようになりました。



第57回気象予報士専門試験
問15

図A〜Cは3つの異なる年の8月に観測された日本の天候、(月平均気温平年差(上),月降水量平年比(中),月日照時間平年比(下))を示しており、図ア〜ウはそれぞれ図A〜Cのいずれかに対応する月平均海面気圧(実線)と平年偏差(陰影)を示している。図A〜Cと図ア〜ウの組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。


8月を考え、わかりやすい気温の特徴から見る。
そして、

図A、西日本高く東日本低い
図B、猛暑、特に東日本
図C、あきらかに冷夏


図アは猛暑
図イは西日本から東日本寒い
図ウは高気圧が西日本中心

図Bと図ア、図Cと図イ、
ならば図Aはウ
ゆえに
正解はウアイの④



早期天候情報 (jma.go.jp)

気象庁
早期天候情報

気象庁|季節予報 (jma.go.jp)


いろいろな予報があります。

おはようございます。
この先しばらく暖かくなる予報ですが朝は寒いです。
気分はいかがですか?
今日もいい日にしましょう。
good time!

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