【美術ブックリスト】 『鎌倉時代仏師列伝』 山本勉、武笠朗著
【概要】
院政期以後、仏師たちは院派・円派・奈良仏師の三派に分かれ、鎌倉時代には奈良仏師から慶派も生まれて、京都・奈良・鎌倉や地方の寺々で腕を振るった。本書は運慶・快慶・院尊・湛慶・隆円・善円ら39名の仏師をとりあげ、事績と作風の特徴を図版とともに解説。さらにその生き様に迫る。
【感想】
「列伝」というだけあって、よく知られている運慶と快慶だけでなく、その前後に活躍した仏師たちを均等の分量で解説している。地方仏師にも光を当てるなど、先達への敬意を感じた。
吉川弘文館◉刊 A5判 288ページ 2500円
序章 鎌倉時代までの仏師の歴史/運慶派(慶派)(康慶/運慶/定慶/定覚/コラム1 南都復興と仏師たち/コラム2 運慶願経と結縁仏師/湛慶/康弁・康勝/宗慶/実慶/源慶/運覚/肥後定慶/康円/湛康(湛幸)/性慶/康誉)/快慶派(快慶/行快/栄快・長快)/院派(院尊/院範/院賢/院継/院恵/院吉)/円派(明円/経円/隆円/尭円/コラム3 蓮華王院・法勝寺再興と仏師/コラム4 鎌倉時代の仏師の僧綱補任)/善派(善円(善慶)/快成/円覚・覚慶/南都仏師康俊/コラム5 長谷寺の弘安再興造像と仏師の競合)/地方仏師(賢光/妙海/定快/院誉)/鎌倉時代仏師年表/鎌倉時代仏師索引