なぜ自然言語でのプロンプトを2500時間も研究し続けたのか

はじめに

生成AIへの関心が高まる一方で、どのようにこれを最大限に活用するかは一筋縄ではいかないものですよね。

・プログラミングも一緒に学ぶべきだ
・英語の方が精度が高いから英語も学ぶべきだ
・プロンプト作成も自動化されて価値がなくなる

色んな意見や仮説があります。
そんな中でも僕は、今日まで浮気することなく「日本語でのプロンプト作り」にこだわって2023年1月から2500時間以上の時間を投資してきました
「なんで?」と思われることが多くて、その度に説明するのも少し億劫になってきたので、記事に書いてまとめることにしました。
結論からお伝えすると、「生成AI使いの勘」を最初に手に入れたかったからです。

「生成AI使いの勘」とは?

欲しいアウトプットに近づける際にどう指示内容をいじれば実現可能か」を瞬時に判断する能力や、「技術的に実現可能かどうか」の判断をする勘のことを、ここでは「生成AI使いの勘」と定義します。

人間は楽をしたい生き物。技術の流れを見据えた時に、将来的に残るのは「自然言語での入力」だと私は思いました。自分の言葉で自然に指示が出せて、欲しいアウトプットが得られればこの上ないですよね。他の技術はどうなるにしても、この「自然言語での入力」は、楽になることはあっても無くなることはないでしょう。

かつて僕がSEOライティングを生業としていた時、Googleのアルゴリズムがどのように変わっても、常に「ユーザーが求める情報を直感的に提供する」という基本原則は変わりませんでした。

その基本原則を実現しようと思うと、Googleは判断する評価軸を常にアップデートしながら最適化させていく必要がありますよね。
僕は、基本原則に最も寄り添う判断軸が「ユーザーの滞在時間」と「権威性(誰が言うか)」だと思いました。
そう考えてからは他の小手先テクニックのインプットを辞め、滞在時間を伸ばすのに大切な「記事の読みやすさや分かりやすさ」、誰が言うかに大切な「自分自身の経験値」「信頼できるドメインからの被リンク」に全振りしたんです。
結果は、多少の波はありつつも大きく検索から弾かれることも無く当時をなんとか生き残っていけました。

AIにおいても同じことが言えると思います。最終的に大切になって残るのは「自然言語で適切にAIを操る技術」であり、「生成AI使いの勘」こそが、将来的な技術の動向において重要だと僕は判断したのです。

自然言語入力の重要性と職人の価値

とはいえ、シュンスケさんのゴールシークプロンプトやAntropic社がプロンプト作成を補助するツールを出したように、プロンプト作りも民主化されていくと思います。しかし、民主化が進んだとしても、オーダーメイドのプロンプトは依然として高い価値を持つと僕は考えます。

各業界における「職人」と呼ばれる職業が存在し続けていることからも、その価値が明らかです。AIがよりアクセスしやすくなり、民主化が進むほど、自然言語での入力が容易になります。それにより、「世の中に似たアウトプットが溢れる」ことになるでしょう。確かにその質は高いのでしょうが、溢れかえってしまえばそれも結局「普通」になります。
個性」とは、「その企業や個人の癖」のことです。この「ニュアンス」の微調整には、より専門的な技能が必要です。私はこの「職人」的なスキルを磨き、企業や個人が求める特定の要望に応えることができるようになりました。

つまり、一人ひとりの細かなニーズに応じたカスタマイズが、生成AIを使いこなし、生き残っていく上での職人技として、これからも求められるでしょう。

企業導入とカスタマイズの成功

企業ごとにAIをカスタマイズすることが「最終的な品質を大きく左右する」という仮説を実証できた、実例を1つ簡単に紹介します。

具体的に書けないのでぼかしながら書きますが、とある補助金申請代行業のプロと協力して、ある補助金の申請書類が、そのプロ目線で「70〜80点」の文章で出てくるように調整できました。大切なのは「プロから見て70〜80点」であることです。

この、プロから見た時のスタンダードは、インプットの中央値を目指しがちな生成AI単体では出せない品質であり、この「職人の癖の反映」にこそ各企業が持つ独自の特性が出ます。
僕は企業へのヒアリングを経て、生成結果への細かいフィードバックを基にプロンプトを細かく調整しました。この結果、企業固有のニーズに合った品質を提供することができ、このアプローチは大きな成功を収めました。

結果を出している企業や個人の「癖」を正確に把握し、それをAIの操作に反映させる能力は、企業導入におけるクオリティの決め手となると確信した瞬間でした。

最後に

ここまで目を通して頂いてありがとうございます。株式会社タイムメイクでは、自社の癖が反映されたBotを作成したい企業様や、制作にご協力頂けるフランチャイジー様を大募集しています。「一度話を聞いてみたい」と思った企業様。もしくは「自分も日本語でのプロンプト入力を研究してみたい」と思った方。furusato@timemake.jp 宛にメールを頂くか、下記URLの公式LINEよりお気軽にお声掛けください。

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