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村上 春樹 「女のいない男たち」を読んで (ドライブ・マイ・カーの感想を含む)

恋愛でない男女の関係が描かれている。

・ドライブ・マイ・カー
妻に不倫をされていた男性が、運転手をすることになった若い女に過去を語る話。
慣れたことで生まれた2人の間の空気を感じることができる。
言葉でなく、仕草・行動で登場人物を強く感じる。

・イエスタデイ
なんといっても、歌詞が削れているのが惜しい。
ご本人は序文で本文に影響しないとの趣旨のことを書いているが、「言い訳するな!!」
村上春樹の描く、賢く敏感で魅力的な女性が描かれる。素晴らしい男女の会話。
夢の話も最高です。

・独立器官
もっともabsorbされた作品。
女性の"嘘"についても最も示唆的
「すべての女性には、嘘をつくための特別な独立器官のようなものが生まれつき具わっている、というのが渡会の個人的意見だった。どんな嘘をどこでどのようにつくか、それは人によって少しずつ違う。しかしすべての女性はどこかの時点で必ず嘘をつくし、それも大事なことで嘘をつく。大事でないことでももちろん嘘はつくけれど、それはそれとして、いちばん大事なところで嘘をつくことをためらわない。そしてそのときほとんどの女性は顔色ひとつ、声音ひとつ変えない。なぜならそれは彼女ではなく、彼女に具わった独立器官が勝手におこなっていることだからだ。だからこそ嘘をつくことによって、彼女たちの美しい良心が痛んだり、彼女たちの安らかな眠りが損なわれたりするようなことは-特殊な例外を別にすれば-まず起こらない。」

・シェエラザード
ほぼほぼレイコさん。語られる奇妙な昔話。なぜか心に迫ります。

・木野
象徴的な作品。「海辺のカフカ」と似てる気がします。

・女のいない男たち
こねくりまわし過ぎ。比喩・抽象的な言葉多過ぎ。
こういう小説は村上春樹にしか書けないと思う。
"水夫・反水夫"といったような、二項対立的な世界の捉え方、好きです。

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