唯一、生まれてきて良かった事


大好きな

じいちゃんと
ばあちゃんに

出会えた事。

もう二人ともこの世には居ないけど

いつも子供の頃、ばあちゃんの
子守唄で寝てたのを覚えてる。

じいちゃんは私が何をしても
けらけら笑って見守ってくれてた。



辛いことがあったら真っ先に話そう
嬉しいことがあったら今日
教えてあげよう

自分の事のように怒ってくれて
自分のことのように喜んでくれた。



同じ敷地内の庭に
私の家とじいちゃん家が建っていた。




ある日突然、


母親は
誰にも何も告げず

末っ子の弟を連れ
家を出た。
じいちゃんとばあちゃんにも


何も告げず。



すでに実家を出ていた私は
連日、弟からのSOSを受け
母親を説得もした。

ただ一言泣きながら
「もう、決まった事だから仕方ないんだよ。」


毎日弟からくるメッセージを、
仕事の合間をぬって返信するものの
彼がこの時抱えていた不安まで
私は察する事が出来なかった。



数日して、母親からは
新しい新居のアパートの住所
が送られてきた。


どちらの味方も敵も
無いはずなのに、

大好きだったじいちゃんと
ばあちゃんにも

前みたいに気軽に
会いにいけなくなって


暫く経ってから
ばあちゃんに会いたくなって
電話をかけてみた



「もし、もし、ばあちゃん?」

「あやか、。もしもし、、。(ぐすん)」

「久しぶりに今日会いに行くね!」

「もう、。もう会えないかと思ったよ。」



自分の存在を、
こんなに待ち遠しく待っててくれる人が
居たのに私は何をしてたんだろう。


私はここに居ても良いんだ。


やっと思えたのに、
1年後に突然の卵巣がんが発覚

あっという間に大好きだったばあちゃんが
天国へ。



久しぶりに電話をした時には既に
余命宣告をされていたらしい。


会いにいけなくてごめんね。
もっと、ありがとう

て伝えたかったのに、
あなたの孫で良かったて
生きてるうちに伝えたかったね、、


こうして、
じいちゃんとばあちゃんを
亡くしてまた
自分の居場所を探すことに。

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