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陶芸の彼女

陶芸にお誘いした近所の奥様の彼女は
いまだに、相変わらず指示待ちである。
会にある道具や私から借りて作るから、
手ぶらで来る。

自分で全く手順もわかろうとしてないという感じ。
彼女はのたらくたらとどこまでしたらいいのか?
相変わらずよくわからないまんまだ。
もう彼女はやり始めてから半年は経つのだ。

そういう彼女にそろそろうんざりしている。
いつまでいちいち教えないといけないのかなって思う。
私は私のやりたいことが出来ないでいる。

彼女はやる気があるのか?
聞いてないし覚えてないし。
道具も揃えない。

やっぱり私は物作りは経験に伴う勘と、道具だと思ってる。
自分の使いやすい、思い通りの道具は必須だと思ってる。
だから道具を買うように言って
やっと彼女に買ってもらった。
7点セットでも千円ちょっとのお値段。

この買った自分の道具で彼女は作ってたのだが、
相変わらず「すぐ忘れちゃって~」しか言わない彼女に
私はキレてしまった。

「あのね、私たちは覚えようとしないとすぐ忘れちゃうお年頃なの」
還暦過ぎてしまった私が少し年上の彼女に言った。
「覚えようとしないと絶対忘れちゃうの」
「陶芸の本でもyoutubeでも見て、工程の順番とか覚えてほしい」と。
「覚えられないならメモって、見ながらやらないと」って。

私は口が悪い。
遠回しにやんわりと言うことが出来ない。
それは私が優しい言葉の中で育ってないからだと言い訳をする。
思ったことをストレートに言ってしまうので私は怖いらしい。

普通には言われない言葉を言われて育ったから
そんな言葉を普通に使ってしまう私がいる。
気を付けているつもりだが日常にあったものからは抜け出せないものだ。
だから私は無口になる。
なるべく気持ちは声に出さぬよう心掛けてはいた。

けれど「私はへたくそでうまく出来ないから~」
彼女のいつもの言い訳にカチンときた。
手順のわからない人がうまく出来るわけないから
出来ないのは当然だと私は思ってる。
それなのに出来たら天才だけど、私たちは凡人だ。
(これはさすがに言ってないけど)

陶芸の手順をわかろうとしない彼女は結局、
作ってても手に負えない状態になる。
それをなんとか修復するのは私で
彼女の作品は私の作品っぽくなる。

このままでは彼女のこの先のことが見えてくる。
彼女はたぶん陶芸を止めるだろう。
ずっとへたくそでうまく出来なくて面白くなくて。
今の状態なら間違いなくそうなる。
だからいつもの余計なお世話で言ってしまったのだ。

彼女が私の言うことを理解して
少しでも陶芸を勉強してやる気になれば、
陶芸の楽しさにハマってくれるはずなのだが。
いいや、陶芸は絶対楽しいのだ。

はてさて彼女はどうするのだろう?
期待しながら心配しながら
次回の陶芸の日を待つ私である。
















なんでもズバズバ言う私にしては控えめに。
そしたら「陶芸道具ってどこで買うの?」って聞かれた。
んっ?彼女はそんなんだから、陶芸をそのうち止めてしまうものだと思ってた。
陶芸を続けていくのか不安であった。
でも次作りたいものは即答するので、続けてくのかな?


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