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新聞社が指摘するLAWSの倫理的ディレンマ:人間と機械の責任と役割

皆さん、こんにちは。ウクライナとロシアの戦争に続き、スーダンでも内戦が勃発しました。これに伴い、世界で核兵器ゼロの機運が高まってきています。まさにいま平和に向けて考える時がきていると言えます。

みなさんは、LAWSをご存じでしょうか。LAWSとは、人間の判断を介さずに敵を殺害する自律型致死兵器システムのことです。AIの開発が急速に進歩するいま、戦争兵器に導入されると、ターミネーターの世界になってしまいます。

新聞各社も社説で、このLWASについて触れており、今回は、新聞社の社説を比較していきたいと思います。

新聞社の社説を比較する理由は、社説の記事に新聞社の意見や論調が反映されているためです。

それではいきましょう!今回も3社比較です。

読売新聞

結論

読売新聞は、人工知能による自律型致死兵器システム(LAWS)の問題点は明白であり、国際的な規制の必要性がある。規制の対象は、人間を直接殺害するよう設計された兵器システムに限り、攻撃の際は司令官の許可を得るプログラムを組み込み、「決断する人間の介在」を担保することが必要である。また、民間のAI技術の研究・開発が軍事転用される可能性を考慮し、規制を行う必要があるとしています。

国際人道法や倫理面でLAWSが多くの問題点をはらんでいるのは明白である。

[社説]AI兵器の規制 攻撃判断を委ねるべきでない 読売新聞 2019.08.23

自律型致死兵器システム(LAWS)の問題点について取り上げ、国際的な議論や規制の必要性を主張しています。自動運転車と同様に省力化や省人化の効果がある一方で、人間が判断を介在させない兵器システムの使用には多くの問題があることが指摘されています。

AI兵器の透明性や各国間の信頼を高めることが大切だ。

[社説]AI兵器の規制 攻撃判断を委ねるべきでない 読売新聞 2019.08.23

各国が共通のルールを作る必要があるとされており、米露を含めた国際的な協力が必要であると主張されています。日本は完全自律型のLAWSの開発をしないとの立場を取り、建設的な議論を主導する役割を果たすことが期待されています。




毎日新聞

結論

科学技術は善と悪の両方の目的で使われる可能性がある。国際社会は、非人道的兵器の禁止を進め、新たな戦争に対応するための国際規範作りが必要だと主張しています。

新たな規範を考えねば

社説:ウクライナ侵攻1年 「戦場」広げるIT 軍民の境界を崩す危うさ 毎日新聞 2023.02.24

近代以降の兵器開発によって「悪」の側面が顕在化し、非人道的な兵器が登場したことを説明しています。また、最近は人工知能の戦争利用も進んでおり、自律型致死兵器システムの実用化につながる恐れが指摘されています。国際社会は、こうした非人道的な兵器に歯止めをかけるために、生物兵器や化学兵器の製造や使用を禁じるなどの取り組みを進めてきました。冷戦終結後には、対人地雷やクラスター爆弾の禁止条約を成立させ、核兵器禁止条約も発効しました。しかし、現代では、ITの進化によって生まれた「新たな戦争」が現実になっており、国際社会はこれに対応するための国際規範作りも急がなければならないとしています。

ITの進化によって生まれた「新たな戦争」の現実に対応した国際規範作りも急ぐ必要がある。

社説:ウクライナ侵攻1年 「戦場」広げるIT 軍民の境界を崩す危うさ 毎日新聞 2023.02.24

また、ロシアの侵略行為を止める必要性も強調されています。





朝日新聞

結論

日米など6カ国による共同提案やアルゼンチンやフィリピンなど10カ国・地域による共同提案が出されており、最大公約数で一致しながら法的拘束力のある禁止を目指す必要があるとしています。

国際的な規制のルールづくりが急務だ。

(社説)自律致死兵器 規制の具体化が急務だ 朝日新聞 2022年08月20日

人工知能(AI)の発達によって自律型致死兵器システム(LAWS)が現実的になりつつあることを指摘し、その使用が非人道的であること、AIの誤作動や暴走の危険性があること、そして国際的な規制が必要であることを述べています。国際的な規制には、禁止や制限を含む複数の案があり、各国の立場には差異があるものの、法的拘束力を持つ措置をとることが重要であるとされています。

違反を監視・規制する体制の整備なども併せて検討すべきだ。

(社説)自律致死兵器 規制の具体化が急務だ 朝日新聞 2022年08月20日

また、最大公約数で合意を形成することが現実的であるものの、禁止という目標を見失わず、違反を監視・規制する体制の整備も重要であるという考え方が示されています。



結論

いかがでしたでしょうか。新聞社の社説から兵器について考えることはできましたでしょうか。



最後までご覧いただき、ありがとうございました。


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