【ゆるく書くブルアカ】カルバノグ2章「理想だけがいない世界で君たちは何を望むか」
俺たちのブルアカが帰ってきた!
ということで、441日ぶりに再開するらしいカルバノグの兎編。
最終編以後の時系列の中で、SRTと連邦生徒会の残されていた謎へと向かっていきます。
まずは前編。
前編までの内容の総括としては本当に緩急が極まりすぎているの一言。心がずっと落ち着かない感じがしていました。
4.5th PVのスチルも使われ、急速的に変わるキヴォトス、そしてそれに影響されるRabbit小隊の立ち位置を表すように混乱と心の揺れは増していきます。
前編10話で焦点になったのは責任の所在。
武器としての立ち位置を確立してしまった先輩達はカヤの思想の下、保障された世界の中に全てを委ねるよう、ミヤコたちを促します。言葉は自身の原点を信じ続ける心と、現実と憧れとの乖離に生じた動揺は心にさらに幅を利かせていきます。
そして間髪入れずにクーデターが発生。シャーレ地下で手に入れた連邦生徒会長の手紙をもとに不信任案を提出し、拘束したシーンには裏に立ち入ることに長けて急進的な改革を望むカヤと衆愚的とは揶揄されつつもその裏、物事の積み重ねに長けたリンとの対比が描かれ、その後に起こることの数々もそれらが生み出した結果を反映させていきます。
そしてカヤは先生の責任すら委任させようと動きますが、最終編を乗り越えてしまった先生はそれを拒否。しかし少しずつ、カヤ自身の求める世界へと変貌を遂げていきます。
カヤが望んだのは絶対的な1人が運営し、その名の下に世界が動く仕組みの確立。
行き着く先は強権が生むディストピアのようなものでした。
それによって自由を放棄し、伴う責任を委ねれば誰にとっても多くの平和を享受することにつながるというもの。
しかしそううまくいきません。彼女の導いた論理は、その下にあるいくつもの積み重ねの軽視によって、大きな破綻を見せていきます。
後編へと進む中で、今回そうした中で、手に入らない理想というのがテーマとして心に残りました。
結局のところ、カヤの理想も、ユキノやミヤコの見た理想もこのストーリーの中では完璧に叶うことはありません。それに対しての向き合う心構えに大人に変わるヒントが数多く入っていたのでしょう。
わずかな違いを飲み込み、認めきれないままに道を違えた者との握手を交わす。
かつての信条から目を逸らしながら、社会に身を任せ、責任を生まない代わりに求めていた何かを手放す。
別にそれは何も悪くはありません。ただ、悪くないからこそ生まれてしまう違和感は誰しもの心に響くでしょう。
そして大人として負うべき責任は離さずに、ただその責任を負うということへの捉え方はきっとポジティブであるべきという先生の考え方はまさしく変な大人そのものです。
この考えが根底にあるから、誰しもの意に沿わない形に収まりつつあるんでしょうか。
そしてRabbit小隊を迎える決意、それぞれの考えうる正義の結末、止まらない時間と世界の流れの中で下すそれぞれの決断と責任の行方は……その先の明日は光の中にあると願うばかり。
雑多な感想
自分の読む手が止まらなかったというのもありますが、全体としてはとてもスピード感があるというか、緩急や勢いを意識させるし、最終編で見せた重苦しさがやや軽減されたような形。カヤどうなるかなと見てみたらわずか1話で若干シリアスさが薄れるという……キヴォトス、恐るべし。10話で変なツボ入って笑いが止まらんかった。
カヤは今後どうなるやら……あんま矯正とかされてなさそうだな……
やり直すことの難しさ、敵側に回った生徒たちのその後…まあでも犯罪みたいなムーブやってる奴らたくさんいるしな……その点は気にしなくてもいいか…先生も言っていたけど、多分ここからやり直していくことがもっと重要なんだろうなという印象。
カヤから見た連邦生徒会長、超人部分にやっぱ誇張ある気がするんだよな……逆にリンにしか見えてなかったような部分もあるような気がする。
というかマジで手紙の内容なんだったんすか?
というか軽犯罪(?)によって犯罪率が多かったリン代行と犯罪率が少なくなった分重犯罪は増えたカヤ代行で変なトレードオフ起こってるの対極に位置してる感じがする。
というか、連邦生徒会長的には手紙2通も相まって2人に手を取り合って欲しかったのでは……?
というか超人よ、このキヴォトスの上に立って回してたんか?ほんまか?
考えることを止めていたという意味でもあって、意図的にユキノやFOX小隊メンバーへの描写が避けられているような形も今後に期待を向ける内容。
というかリオもそうだったけど、語りや描写がないというこの形のお陰か、胸を締め付けて離さない感じが増してますよね。
考え込んだが故に1人になりすぎたリオ、考えるのを止めたが故に今回のポジションまで行き着いてしまったユキノ。今後次第でどちらも怖い展開ですね…
カンナが考え変わって以降は権利と規則の中でいかに自分の考えを押し通すかの方向に動き出してて正直好き。
生活安全局志望だった要素がキリノとの届かない理想の対比になりつつ、駅の襲撃でちゃっかり自分の欲望満たしてるの好き。
最後の戦闘……恐らく戦い方的にユキノを1人残さないといけないんですよ……ねぇ……その前のストーリー的にはちょっと攻撃しづらさあって苦しいんですわ……
さてさて、土曜のブルアカらいぶの前ということもあり、急ピッチでのまとめとなりました。いかがでしたでしょうか?
ではではまた、今はまだ理想を見ていたい1人の大人になりきれない作者からでした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?