にじさんじ甲子園2023-10「すべての試合と全力のプレーに感謝を」
夏という季節の一つの区切りを個人的には迎えました。
オールスター戦も含めたにじさんじ甲子園の全日程が終了となり、決勝戦を制したにじさんじ高校が優勝で幕を閉じました。本線の成績、試合内容を中心に全チームを順位順に振り返っていきます。
10位 虚空学院
最下位であって、最も恐ろしいチーム
優勝チームを最も苦しめたともいうべき虚空学院。あの試合含め予選天宮の疲れ知らずなのかとも言える力投に驚かされてばかりですが、上位打線、特にルカと戌亥で形作る虚空学院のリズムが結果として多くの場面で先制点を生み出すなどの攻めを見せる結果となりました。
かなり育成には苦しんだ方(それでも一年目弱小から2年目夏で甲子園に行けるのは間違いなくすごい。)ですが、その差をなんとかしようとしつつもにじさんじ戦では直前で威圧感とここまでの試合結果からに対する本音を吐きつつも、その上で天宮の意地の続投を結果としてあと一歩まで詰め寄るという形にしたのは覚悟の上とはいえ、さすがの選択だったと思います。
間違いなくこの夏の歴史に残るチームであり、最下位であっても讃えられるべきチームです。
9位 聖アザラシ学院
かわいいアザラシに隠れる凶悪な牙。
順位決定戦では待望の初勝利を挙げた聖アザラシ。
持ち味の二枚看板は全試合通しての本間→闇ノ継投に。本間のロマン溢れるストレートはもちろん、打撃などでの投打躍動の相乗効果を見せつつも継投後の中盤終盤での闇ノの安定感はピカイチでした。ワンポイントで出てきたナギサなどのリリーフも高いパフォーマンスを見せました。
打撃面は中軸を担い出塁からタイムリー、投手のスタミナ削りまでこなした石神と、チャンスの場面ではほぼ毎回タイムリーを決めるサロメ嬢を中心に順位決定戦では先頭打者ホームランで試合を盛り上げたペトラ、ターニングポイントを制した小清水、守備で安定感を見せ続ける四季凪などのタレントが躍動。
要所で他校の強さに負けてしまう部分があり、それが9位ということになってしまったのですが、それでも選手たちが自分たちの役割というものをしっかりと理解した上で全力で戦い続ける野球のスタイルはまさしく素晴らしいものでした。
8位 VR関西圏立
全員野球を見せ続けた西の獣
育成配信を夏優勝で締めくくった樋口監督率いるVR関西。
持ち前の投手力、バッテリー力はやはり劣らず、強打者相手にも圧巻のストレート勝負を挑む夜見が圧倒的な投球を見せつつも、打たれた降板後はエナーや矢車が他校の打線を引き締めるような投球を見せ、守備的な野球を展開。
打撃力でやはり劣る場面もありましたが、代打含め登録メンバー全員でチャンスと攻撃の糸を繋ぎ続けるような野球の数々には監督自身の方針もあったとは思いますが、やはり手に汗握る展開を演出。1年ながら出塁、盗塁で結果を見せた安土、予選ではガレリア賞となり、王ヘル戦ではホームランを記録した鈴木、サヨナラ犠牲フライを決めた星導などの打撃も光りました。
7位 王立ヘルエスタ
2連覇ならずとも、我が征く道こそ王道の証明へ
予選では接戦に次ぐ接戦と名試合を生み続けた王立ヘルエスタ。
やはり投打両面で活躍を見せる選手が多く、今年はやや打撃寄りとはいえ、王道とも言えるバランス的な方針は今年も健在。
エースであるアンジュは変化球を軸に予選でも三振を奪うなどの投球で随所で存在感を見せ、緋八などのリリーフは細やかに接戦を凌ぎ、打たれても後続を止めてしっかりと次の攻撃に繋げるなどの働きを見せました。
打撃は9番というポジションからチャンスを生み続けた葉加瀬、V西戦ではまさかのホームランも見せた周央、ガレリア賞となった打撃のパンチ力も見せた先斗などから大事な場面では魔使、フレンの得点力で魅せるという打線はやはりそれぞれの持ち味を存分に見せつけたでしょう。特に主砲フレンの通算2本塁打はかなり重要な局面でもあることからも目に焼きついたシーンであることは言うまでもありません。
6位 快盗学園
真価を見せた快速と大エース
本戦では自らの考える野球の真価を問うた快盗学園。順位決定戦では同じ指針を持つコーヴァスとの一戦となりましたが一歩及ばずに敗戦。6位となりました。
2連続セーフティバントやエース卯月の金特強心臓の変化量増加に振り回される場面こそありましたが、聖アザラシ戦や横須賀流星戦で見せた堅守速攻の形の盤石さは圧巻。チャンスをつくれば大量得点、後の回は投手力とショート三枝、セカンド早瀬などを中心に守備で守り抜く形を作ることができていました。その面では監督の目指す強さに近付いていたでしょう。
打撃面はそれらの形に合わせるようにホームランこそ出ませんでしたが、チャンスメイクから長打まで全員の連打が繋がることで得点できた印象。主軸を務めたフィナーナなどの威圧感も他校にとってはかなりの脅威となりました
5位 帝国立コーヴァス
栄光と威信をかけた野球、ここにあり
予選では全完投となったローレンを中心にタレント揃いとなったコーヴァス。
ローレンは投球もそうですが、自分の打撃で点を取りに行く場面も目立ち、天才たる所以を見せつけました。
それ以外にも首位打者となった春崎、アーチストとしてコーヴァスの点取り屋、そしてまめねこ工科戦ではその一発の力故に申告敬遠の対象にもなった一年生天ヶ瀬、正一塁手として全体では盗塁王、そしてホームランも見せた明楽など機動力主体ながら派手さも見せた野球はまさに栄光と威信に溢れる野球そのものであり、昨年は敗戦となった順位決定戦でも勝利を収める結果に。
またまめねこ工科戦では申告敬遠の天ヶ瀬に対し、甲斐田の代走起用によって試合展開を左右する場面を作り出すなどの采配面でも見せ場を作りました。
4位 まめねこ工科
可能性を見せた「激守」野球
予選ではにじさんじに後一歩及ばず、3位決定戦では初の延長戦の末に勇者育成に敗れたまめねこ工科。しかしその守備力方針は多くの高校を苦しめる結果に。エース笹木、リリーフ鷹宮の継投の安定に加え、好守備を見せた飛鳥、東堂、小野町のセンターラインを中心に守り抜く野球を展開しつつも、攻撃面ではエース笹木も含めた全員が繋ぐ野球で点をもぎ取りながら進行するなどのゲームメイクは天才投手とキャA持ちのバッテリーを擁したコーヴァス、覚醒投手とキャAバッテリーのV西にも勝利とキャッチャー持ち優位とも言われたの環境に一部風穴を開ける形に。
特に外野守備がかなり良かったこともあり、ヒットや長打を阻止する場面は多かった印象。
監督の豊富なデータと経験値を駆使した育成と本戦は昨年とはまた違った熱さを見せることになり、昨年以上の結果を見せることに。悔しい結果ではあるものの、一つの可能性と持てる全てを出し切った4位フィニッシュとなりました。
3位 勇者育成
伝説となった最後の戦いの勝者
横須賀流星戦では悔しいコールド負けだったものの予選は2位、まめねこ工科との3位決定戦は延長の末に勝利とにじさんじ甲子園でもベストバウトに入る戦いを制した勇者育成。
投手は先発ナリが快盗学園戦での完封勝利などを含めた圧巻の投球に加え、守備面でピンチからのターニングポイントを取り続けたハユンなど、要所や接戦を制する力が光り、打撃面でもにじさんじ甲子園全体最多の3本塁打でのホームラン王となりつつもセンター守備もかなりの上手さを見せたエクス、エクスとの2打席連続ホームランも見せた葉山、まめねこ工科戦での延長ではまさかの決勝点となるホームランを放ったベルモンド、チャンスメイクをし続けた山神や来栖と言った面々が躍動。打撃面での好調が好成績を見せる結果となったと言えます。
2位 横須賀流星
グラウンドを駆けた蒼き流星
決勝こそ奮いませんでしたがやはり2位となる圧巻の打撃力を見せた横須賀流星。
12得点となった勇者育成戦など、序盤から攻めの姿勢を見せ続ける野球を続け、序盤は不破、後半の接戦でもチャイカが抑え込む投球を続け、聖アザラシ戦は盗塁阻止などもあり、リードを守り抜く力に長けていたと言えます。
決勝や快盗戦でのように、上位打線であるVOXやクレアが抑え込まれてしまうとやや波に乗れていない立ち上がりになってしまうことはあったものの、4番コトカのホームランやエリーなどの安打から、どんな点差や状況であっても逆境に立ち向かう姿勢は最後まで諦めない初年度大会から続く横須賀の原点とも言える野球の姿勢であり、最後まで煌めきを求め続ける流星のような野球だったと言えます。
1位 にじさんじ
文句なしの最強、今年の夏の覇者
予選こそ苦難の道のりではあったものの、総合力で上回る結果を見せて全勝となり、決勝は圧巻の無四球完封勝ちで文句なしの2回目の戴冠となった椎名監督とにじさんじ高校。
MVPとなった葛葉は打っては2本塁打、打率こそ低いですが点が欲しい場面で打つ勝負強さを見せ、投手部門では強心臓などで強化されるフォークや高速シンカー、ナックルカーブを武器に4冠となり、今回の主役とも言える活躍となりました。V西戦は二塁を踏ませず、他校のエースとの投げ合い、打線との対決でも正捕手獅子堂のリードもあり、終始余裕を持って投球内容で上回る場面を見せました。
また野手陣は攻撃守備共に大活躍の結果に。
守備面でも葛葉を救ったショートプティのチャンスメイク、決勝では勝負強さと対ストレートへの安定感を見せたセカンド奈羅花、予選ではホームランも見せた獅子堂、技ありとも言える打撃と守備を見せ続け、オールスターではお祭り男の本領発揮とも言える活躍を見せた舞元、決勝では勝負ありのダメ押し3ランを見せたりりむ、その口火を切り決勝での大活躍を見せたジョーなど、スタメン全員誰かしらがどこかで強さを見せつけることになり、まさに総合力に長けたにじさんじ高校の集大成となった野球でした。
終わりに
今年も多くの見せ場を作ったにじさんじ甲子園。今年はNumberへのコラボ記事掲載、応援グッズの販売、Abemaでの観戦配信実施、サブ企画であるサイレン甲子園にガレリアの協賛など昨年以上の注目と盛り上がりを見せる中、王立ヘルエスタ、VR関西、聖アザラシ、横須賀流星などは選手陣が試合前や試合後に応援歌動画やメッセージ、寄せ書きなどで監督の応援や労いなどのにじさんじ全体でのムーヴメントが昨年以上に多かったと思います。もちろんベルさんのスポーツバー、ENメンバーなどでの同時視聴もあり、もはやにじさんじとしては大きすぎる夏の一大コンテンツに。
昨年よりチームも増え、栄冠ナインの勉強や野球という少々難解なスポーツへの理解などもあって監督ができるライバー陣もかなり限られる中で、こうして無事に完走できたことを何よりも今は喜びたいと思います。お疲れ様でした、そしてありがとうございました。
そして語るに外せないのは主催である舞元さんの9月での無期限活動休止。配信の中で甲子園のある8月いっぱいまでは活動を責任を持って行っていきたいと言ってくれていたことにまずは感謝を述べようと思います。その上で静かに今後を見守っていきたいと思います。
今後の行く末はまだわかりませんが、この4年間で大会の形としてはにじさんじ内に収まらない大きな進化を見せたコンテンツであるこの甲子園。
舵取りは難しいとは思いますが、ここまでの大きさを見ればどんな形であれ開催される可能性は多少なりともあるんじゃないかなと思っています。
椎名監督含め監督陣や主催などは多少変わると思いますが。
次回は慣例通りであればソフトが変わり、「パワプロ2024(仮)」での初開催。どんな風になるのかは不明ですが、できればまた来年も最高の夏で会いたいものですね。
改めてドラフトより始まったこの1ヶ月半という期間に大きな感謝を。ありがとうございました。
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