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Photo by
hananosu
メカボイン(デラックス)。
職場の人ふたりが
「あれ?なんだかイチゴミルクの匂いがする。」
「ほんとだ、イチゴミルクの匂いがする。」
そんなことを言いました。
「どこから匂ってるんだろう?」
そんなことも言うのです。
まさかとは思いましたが、もしかしたらということもあるので、そっと自分の胸のあたりの匂いを嗅いでみたんです。
そしたら「違いますよ」って。
「あ、ぶくおさんからではないですよ。」って。
間髪入れずに。
「ぶくおさんの胸から、ミルクの匂いがするわけないじゃないですか。」
概ねそんな話。
まったく人生って波乱万丈だと思ったのです。
そんなこと分からないじゃないかと反論しようかとも考えましたが、勝てることがないので黙っていたのです。
僕のおっぱいはデラックスなので、イチゴミルクが出ます、と説明しようかとも思いましたが、別の問題が出てきてしまうので、言わないことにしたのです。
概ね大人の対応。
若い頃、アーモンドの匂いがすると言われたことがあります。
褒められたのかそうでないのか分からなかったのですが、両目をぎゅっと瞑ったのでした。
なんだか照れたのです。
そういうこともありました。
まったく人生は波乱万丈。
アーモンドの匂いがすると言われたり、イチゴミルクの匂いはしないと言われたり。
戸惑ってみたり照れてみたり。
何が正解なのか、分からないことが多いのです。
「ぶくおさん、綺麗な虫みたいなシャツ着てますね。」
さっき職場の人が言うのです。
「ありがとう」を言えば良いのか、泣いたら良いのかが分かりませんでした。
長いこと生きていると、そんなことがあるんです。
こんなことの繰り返し。
まったく人生ってやつは。
どうしたことか、生きていく自信のないシーズンなんです。
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