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保育士の私が、子どもたちから教えてもらったこと…体を動かしたり、夢中になって思い切り遊ぶことは人生をより良く生きるために必要なこと

*名前は仮名です。

コウジロウ君は水遊びが好き。園庭に出るとすぐに砂場の水道へ行き、ずっと水に触っています。笑顔も見られるため,遠目から見るととても楽しそうです。微笑ましさを感じる一方で、水に触るのみの遊びを広げられるといいなぁと思っていました。そこで、バケツに水をいれ、砂場に運んでどろんこ遊びを提案しました。水に濡れて固まりやすくなった砂を使ってドーナツやケーキなどの型抜き遊びを保育士がやってみたところ、それをつぶす楽しさを知って、ケタケタ笑って喜んでいました。砂場には他の子ども達もやってきます。近くにあるテーブルでは給食では使わないキャベツの外葉などをもらい、おもちゃの包丁を使っておままごとごっこをするコーナーもあります。『今日はキャベツの葉っぱがあるよ。ビリビリってしてみようか。』と葉っぱを見せましたが,コウジロウ君はそれには興味を示しませんでした。
自転車を颯爽に走らせて砂場の横を通り過ぎる子もいました。保育士が『自転車早いね〜、ビューンと走って行ったね』とコウジロウ君に話しかけると、それは気になったようで顔を上げて次々と走っていく自転車を見ていました。
その向こう側には滑り台がありました。大きいです。
気になったようで、砂場遊びをやめて歩き始めたコウジロウ君。『お〜?やりたいのかな?』と、見ていると滑り台ではなく、そこまで移動したことで見えた大好きな先生を見つけ、進路変更して先生を目指して歩き始めました。最近独歩を獲得したばかりなので不安定な動きですが、一生懸命に歩いて行きました。
途中まで歩いたところで、またコウジロウ君の気になるものが現れました。こいのぼりです。🎵〜屋根より高い〜🎵と歌われる、家庭の庭先に高々と泳ぐ大きさなので、園庭ではかなり大きく感じます。コウジロウ君もすぐに見つけられたのでしょう。先生から進路を変えてこいのぼりにまっしぐら…!大好きな先生もこいのぼりに移動して待っていてくれたので、コウジロウ君の思いはブレることなくゴール(こいのぼりと大好きな先生)しました。
普段は園庭入り口付近の砂場の水遊びだけで満足していたコウジロウ君でしたが,この日は少しの提案と声かけがきっかけとなり,園庭の1番遠いところまで歩き、こいのぼりに触りたくて体をたくさん動かして遊びました。
その後、いつもより給食をたくさん食べ、お昼寝もぐっすりでした。

子どもの気持ちも体も育つために、遊びはなくてはならないものだと知ってはいたけれど、コウジロウ君が自身の姿で証明してくれました。


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