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ボクちゃん 中村繁一

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新任教師の一年間の出来事、様子をおもしろ、おかしく、オーバ             ーに綴っていきます。  (かなり過去の出来事を綴っています) 今の時代にはマッチしないと思いま…
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#歓声

ボクちゃん 32   年末年始

ボクちゃん 32   年末年始

ボクちゃん 32

そうこうしているうちに、早くも忘年会の時期がやって来た。

例によって、例の如く、校長の挨拶から、忘年会が始まった。

そして、幹事が教頭を指名する。

乾杯の用意である。

一同起立して、乾杯と言って会が始まる。

酒が回り出すと、二十畳ほどの部屋で、あちらこちらバラバラに声が聞こえ出す。

年忘れの会場で、この一年の出来事やら、お互いの労苦の思いやら、様々な会話が乱れとんで

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ボクちゃん 31 陸上競技 談話

ボクちゃん 31 陸上競技 談話

ボクちゃん 31

次は、水泳同様、陸上競技記録会である。

水泳と同じように、この町の一番広い小学校の運動場で行われる。

短距離の60メートル走、百メートル走、長距離の1500m走、走り幅跳び、走り高跳び、ボール投げ、対抗リレー、の種目が行われる。

それまでは、10日ほど前から、自校で練習する。

その間の、指導の熱、力の入れようには、言い様のないほどの熱弁が聞こえてくる。

そして、大会に

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ボクちゃん 30   思案

ボクちゃん 30   思案

ボクちゃん 30

ある日の午後、山岡先生がポツリとつぶやいた。

「先生というのは因果な職業だ」

僕は山岡先生の、この言葉の真意がよくわからなかった。

昔のことを考えれば、教職とは聖職と言われて、まわりの人からは尊敬の念で見られていた。

地域の人々、父兄、全員が先生に対して従っていた。協力体制も整っていたと思える。

ところが現在ではそうはいかない。

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ボクちゃん 29   運動会

ボクちゃん 29   運動会

ボクちゃん 29

二学期が始まった。

子ども達の一層日に焼けた顔と素肌が目に焼き付いた。

さっそく運動会の練習である。

職員会議で、各担当を決めて、、、この競技はこうして、このダンスはこうして、と決めの細かい綿密な計画が為された。

この時はこの曲で、この時は一歩出して、とか、足踏みとか、、、

面倒くさがりやの僕としては、いちいちそんなところまで指導する必要があるのか、、、

そこまです

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