自分

子育て編
違和感
息子は、優しいおばあちゃんが勤めてる保育園で、何不自由なくぬくぬくと保育園生活を送り、やりたい放題好き放題。
皆んな集合整列してるのに、1人だけ違う方向に走って行く。
小さい頃は、これくらい元気があった方がいいと私も思っていた。
イジメっ子や憎まれっ子世に憚るというけど、将来大物になってくれるんじゃないかとか、そんな風な目で見ていた。
しかし、そういうはぐれ方とも違うような気がする。
誰かの上に立つとか、自分が親分になって周りをとかじゃなくて、皆んなと一緒の行動したくない、というか出来ない感じ。
じっとしていられない。
何か違う。
でもまだ小さいし、これから成長していく過程で落ち着いたり、皆んなに合わせていけるだろうと、深くは考えなかった。
私とキョンキョンも、その日その時楽しければそれでいいみたいな、そんな生活の繰り返しだった。
休みの日はどこに遊びに行こうか、息子を連れて海に行こうか、水族館行こうか、お金も安月給なので贅沢な事は出来なかったが、十分楽しい日々であった。
私の両親も同様で、しょっちゅう息子を連れ回し、親戚の家やらショッピングやらで、欲しがってる訳でもないのに何でも買い与え、親戚に行けば、お金の価値も何も分からない保育園児なのにお金を貰ってくるみたいな、そういう事を繰り返していた。
そんな息子も小学生となり、普通ではない事をあからさまに突きつけられた。
学校の先生からキョンキョンが呼び出され、息子さんを特殊学級、今の言葉で言う特殊支援学級に入れてはどうかと。
授業しても落ち着いて聞いてられない。
やってる事が理解出来ない。
集団行動も出来ない。
その小学校の特殊学級は、勉強というより焼き物をやって何かを作ったりだとか、何かの技術を身に付けるとか、そういう事をやっているみたいで、自分が子供の頃も学年に1人か2人くらいの割合で、そういう学習障害とか何らかの障害持ってる子が、その学級で皆んなと違う事を学んでいた。
キョンキョンは愕然として家に帰り、爺婆もいる食卓でその事を話した。
私は息子の将来の事を考えれば、どっちがいいのかいろいろ考えて決めようとしたが、爺婆は猛反対。
特殊学級なんて絶対許さない。恥ずかしい!
そんな事が近所や親戚にバレたらどうするんだ!
みたいな。
息子の将来とかよりも自分達の体裁。
そういう両親の気持ちには違和感というか腹立たしさを感じたが、いまだその現実を理解出来ない自分もいた。
保育園児の時、TVの美空ひばりを見て一緒に、川の流れのようにを歌ってたじゃないか、小さいからまだ自分の欲求を抑えきれずにそういう行動してるだけなんじゃないか?
大きくなり次第変わっていくんじゃないか?
爺婆の言う事に賛成した訳ではなかったのだが、そういう期待も込めて普通学級にとどめてもらうようにした。

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