自分

動物編
タロウ①
タロウは、コーギー犬ミックスのメス。
コーギーは尻尾無いのがほとんどだが、タロウはくるんと半円描いたような立派な尻尾が付いていた。
最初オスかと思って「タロウ」と命名したらメスだった。
ただ、タロウ!って呼ぶと振り向くし、今更名前変えるのも、という事でそのままタロウなった。

タロウはとにかくモテた。
どこから匂い嗅ぎつけてくるのか、頻繁にどこかのオス犬が子孫繁栄にやってくる。
当時我が家では、猫はともかく犬を家に入れるという習慣はあり得ないという事で、年中外飼いだったのだが、朝どこかの飼い犬がタロウにくっ付いてる。
水をぶっかけても何をやっても離れない。
どういう仕組みなのか不思議なくらいであった。

なので、子犬も頻繁に産まれて、貰ってくれる人を探すのも大変だった。
ただ、タロウが元々可愛い顔立ちからなのか、子犬もメチャクチャ可愛いくて、貰ってくれる人も大変喜んで貰っていってくれた。

タロウはとても頭のいい犬で、散歩もリード無しで私から1mくらいの距離を保って、ずっと歩いて来てくれる。
他の散歩の犬が向こうから歩いてきて、あっちはハァハァ言いながらタロウに向かって来ようとしても、タロウは動じず知らんぷりで私の後を歩いてくる。

近所のおじさんが、家の門の前で「おはよう!」て挨拶した途端、そのおじさんの前でう○こしたのにはまいったが。
よほど我慢出来なかったんだろう。

ある日、また3匹の子犬を産んだ。
白、茶色、黒メインの白黒の子犬。
名前はミルク、紅茶、クロ
色から付けた名前である。
まだよちよち歩きの3匹、タロウの側から離れて遊ぼうとしてそれぞれ違う方向に歩いていった瞬間、私の母親が出かけようと車を発進。

紅茶が私やタロウの目の前でタイヤに轢かれた。
ブレーキ踏むも間に合わず、口から泡をふいてピクピクして、間も無く動かなくなった。
私やその場にいた父親は、かなりの剣幕で母を責めたが、だからと言って紅茶が戻ってくる事は無い。
とても悲しかった。
何日生きたんだろう、目の前で子供を轢き殺されたタロウはどんな気持ちだったろう。

それからのタロウは、エンジン音がするとミルクとクロをしっかり手で押さえるようになった。
これ以上子供を死なせたくないという思いが伝わってきた。

クロは間も無く、近所に住む次男の同級生の女の子の家に貰われる事になった。
嬉しそうにその女の子がクロを抱っこして行ったのだが、しばらくして次男がクロを連れて来た。
あれ?
貰われる事を知らず、偶然クロを抱っこしてるその女の子から奪い取って来たらしい。
その女の子が泣きながら戻ってきて、次男には事情を伝えて納得してもらい、正式にクロはその女の子の家の犬になった。
何日かすると女の子は飽きて、結局そこのお父さんと一緒に寝てる事を聞いた。

幸せに暮らしてればそれでいいと思った自分であった。

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