22/7「ヒヤシンス」のMVは誰に見せたかったのか。
今回のnoteは、私個人の考えによる、批判的な内容になります。
苦手な方はブラウザバックでお戻りください。
2021年6月28日、ナナニジの新曲「ヒヤシンス」のMVが公開されました。
「ヒヤシンス」の曲自体が公開されてから約1ヶ月。
ファンにとって待ちに待ったMVだったと思います。
さっそく私も見に行ったのですが、正直驚きました。
今回はそのことについて書いてみます。
驚いたこと。
MVにメンバーが登場しない。
いえ、厳密にはところどころに写りこんでいるのですが、私はあれを「ナナニジメンバーが登場するMV」とは思いたくありません。
いままでのMVはどうだったでしょうか。
「僕は存在していなかった」
「シャンプーの匂いがした」
「理解者」
「何もしてあげられない」
「風は吹いてるか?」
「僕が持ってるものなら」
全て、MVの主人公がメンバーです。
CGだったりアニメ絵だったり静止画だったり表現方法は様々ですが、歌って踊るその姿は、バーチャルアイドルである彼女たちが「生きている」ことを感じさせてくれました。
間違いなく、彼女たちは存在していました。
一方、「ヒヤシンス」はナナニジメンバーとは無関係であろう男性が主人公となっています。
彼がメインとして話が進み、メンバーは背景に少し映り込むだけ、というMVでした。
私は、普通に歌って踊るメンバーが見たかった。
なぜならナナニジメンバーが好きだから。
今回ブログを書くにあたり、ほかのアイドルのMVはどんなものがあるんだろうと思い、YouTubeで乃木坂46、櫻坂46(欅坂46)、日向坂46の公式が挙げているMVを一通り見ました。
その全てがメンバーたちが出演して、歌って踊るものでした。
当然だと思います。
なぜならファンは、「彼女たち」が好きで応援しています。
「彼女たち」が見たくて動画を見るのです。
新しいMVが公開されたら、「彼女たち」の新しいパフォーマンスを期待するものです。
ところが今回のMVは、メンバーが登場せず、「彼女たちのパフォーマンス」が無いMVとなりました。
「ヒヤシンス」のMVを手がけた門脇康平氏は、Twitterで以下のように述べていました。
プレミア公開ありがとうございました。
— 門脇康平 KOHEI KADOWAKI (@KadowakiKouhei) June 28, 2021
改めて、この度 #ナナブンノニジュウニ(@227_staff )『ヒヤシンス』MV作らせて頂きました。
この曲から感じた印象に寄り添って、光と色とストーリーで最大限表現しました。末長くこのMVに愛着持って頂けたら幸いです。https://t.co/UMlhfihqIJ pic.twitter.com/54m5S4oAkh
「この曲から感じた印象に寄り添って、光と色とストーリーで最大限表現しました。」
そう、このMVはあくまで門脇氏が楽曲「ヒヤシンス」を聴いて感じた印象のストーリーであって、「ナナニジメンバーのMV」ではないんですね。
前述の通り、これまでのナナニジ、坂道グループのMVはメンバーがパフォーマンスをするものでした。
なぜなら楽曲を歌っているのはメンバーで、
それを表現するのもメンバーであるべきで、
ファンもそうした彼女たちを見たいと思っているから。
だと私は思います。
「ヒヤシンス」のように、そのMVはアニメーション作家が描くストーリーであり、本来の表現者であるメンバーは登場しない。
これは、いままでのアイドルMVとまったく異なる手法だと思います。
ナナニジがアイドルMVの新境地を開くのか。
それとも一過性のもので終わってしまうのか。
これから「ヒヤシンス」のMVがどう展開されるかは注意深く見ていく必要があると思います。
驚いたことがもう一つ。
内容が難しい。
MVの背景にメンバーがこっそり登場していたり。
過去のMVのオマージュが描かれたり。
さらにはMV中に書かれた「取り壊し予定日程2021年8月30日~」の文言や、その取り壊しのシーンが動画の2分27秒であるなど、ファンにとっては考察のしがいがあるMVとなっています。
難しいというより、よく練られていると言うべきでしょうか。
ただし「ファンにとっては考察のしがいがある」と思われますが、初めて見る方にはおそらくなんのことだかわからないのではないかと思います。
私は、「ヒヤシンス」のMVは誰に見せたかったのか、と思いました。
そもそも。
「ヒヤシンス」のMVが発表されたのが6月28日。
その日の夜にナナニジははじめての音楽番組への出演を果たし、翌日にも連日で音楽番組に出演しました。
さらにナナニジウィークと称し、日本各地のラジオ番組に登場。
そして7月14日(本来は6月30日)に初のアルバムが発売されます。
これらのことから、「いままでナナニジを知らなかった人がナナニジを知る」、そして「「ヒヤシンス」のMVを見る」タイミングだと思います。
まさに新規ファンを獲得するチャンスでした。
しかしメンバーが登場せず、過去のオマージュが盛り込まれた考察のしがいがある深いMVは、初見の方には難しいのではないかと思います。
(というか、私もよくわからなかった。何回か動画とコメント欄を見てやっとわかりました。)
「シャンプー」のように、メンバーが元気に歌って踊る、アイドルの魅力が強調されたMVだったら。
この子かわいい、気になる、調べてみようとなります。
実際私も坂道グループのMVを見ていてそう思いました。
(乃木坂46の伊藤理々杏さんかわいい……)
しかし「ヒヤシンス」のMVを見た方は、まずナナニジメンバーにたどり着けない。
絵が綺麗。ノスタルジックな雰囲気が良い。
そんな感想で終わってしまうのではないでしょうか。
あるいは、「YOASOBIの「優しい彗星」の人だ」ってなるかもしれませんね。
そういえば「優しい彗星」のMVも見ましたが、あれも難しいストーリーです。
ただしそっちはもともと原作があるみたいなので、MVだけを見てもわかりづらいようですが。
なんにせよ、新規ファン獲得のチャンスに、メンバーを登場させないという新しい手法を用いた今回のMVは、私個人としては気になるものでした。
あらためて、「ヒヤシンス」のMVは誰に見せたかったのか。
これまでグループを応援してきた、既存のファン向けなのでしょうか。
既存のファンにはかなり好印象で受け入れられているようなのですが、これからナナニジを知りたい人には難しかったのではないかなと思います。
タイミング的にせっかく人目に着くチャンスだったのですし、もっとわかりやすい、メンバーが元気に歌って踊って、初見の方もそのMVを見るだけで推しが見つけられる、そんなMVが良かったんじゃないかと思いました。
長くなりました。
ナナニジは今年で4周年。
初の音楽番組出演を果たし、そして初のアルバムが発売。
これからに向けて、よりグループが成長していくために。
既存ファンはもちろん、新規ファンの獲得はかかせません。
頑張れナナニジ。
これからも応援しています。
おわり
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