嫌なこと
雄大な自然を見て、『自分の悩みはちっぽけだ』と言う人がいる。私はそんなことは言いたくない。
世界の中に置くと私はもちろん小さいが、私の悩みは私の中での比率は大きい。
これはかすり傷ではない。
仮にかすり傷だとしても、数が多くなればそれは深い傷となり、私の中に巨大なクレバスをつくる。
人に悩みを打ち明けたことがあった。けれどその人は『世の中にはもっと大変な思いをしている人がいる』と言って、私をつっぱねた。
そんなものは知らない。
この悩みは私の中では大事件なんだ。
世界が終わったとも思えるほどなんだ。
胸が苦しいんだ。傷ついているんだ。
私は私で、苦しいんだ。つらいんだ。
他の人と比べられても困る。
自然と比べられても困る。
そんな叫びが私のクレバスから聞こえてくる。
自然を見て癒されたり、エネルギーをもらったり、悩みに対する捉え方が変化して前向きになるのは、いいこと。
けれど私の中の悩みを『ちっぽけ』とは言いたくはない。むしろ『ここにあるよー』と自然に向かって大声で叫びたいくらいだ。
掻き消すのではなく堂々と解放することできっと解消されることがあるだろう。
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