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【随想】あれこれ考えつつも、まず書いてみようかな、と

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いのちなる 旅するなれば ひとの道 消ゆる知りても こころとは あとに残らむ ことだまの おさなきものの すなほなる 泣きていふやう ことのは響かむ
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#遺跡

【歴史】箸の想像力/あまりに簡素であまりに便利 <後編>

日本の箸の歴史  さて、中国の箸がどのようにして日本へ渡ったのでしょうか、実は、これも明確なことは分かっていません。  まず、古代日本の遺跡から出土品を探ります。  縄文時代以前の旧石器時代(紀元前2万9000~1万4000年)の幾つもの遺跡から、イノシシ、シカ、ノウサギなどの肉類、マツ、ハシバミの実、コケモモ、ヤマノイモなど出土、また、藤久保東(ふじくぼひがし)遺跡(埼玉県三芳町)から焼かれた石が出土 <三芳町『広報みよし』1991年6月号>、これは土器がなくても調理で

【歴史】箸の想像力/あまりに簡素であまりに便利 <前編>

※いろいろ資料を集めましたら、あれもこれも使いたくなりまして、全文が20000字を超えてしまいました。思い切って削除しても13000字となりました。前後二編(「中国の箸の歴史」と「日本の箸の歴史」)に分けて掲載することにいたします。 はじめに  訳の分からぬ外国人観光客が多数遣って参ります時代になりました。  もうかなり前のことになりますけれども、平成26年(西歴2014年)、和食が UNESCO(国際連合教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されたかとで一時話題となりま