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28 学生がかわいい?

大学に勤めて間もない頃は、教員と学生のミスマッチが起きやすい。教員のタイプをよく知らずにゼミや授業を履修されてしまうので、お互いに期待が外れてうまくいかないことが多いように思う。
在籍期間が長くなると、「あいつはこういう教員だ」という評価が学生の間で共有され、自分に合った学生が集まってくれるようになる。

その成果なのか、今年度はかなり居心地がよくなった。
さらに不思議なことに、学生がなにを話していても面白いという謎の境地に至った。もちろん困らされることもあるが、基本的には自身と異なる出自、育ち、感性をもった人たちの姿を見、声を聴くのが面白い。
私から見れば学生の方がエイリアンだが、実は若さを徐々に失った私こそが大学におけるエイリアンになってきたということだろう。

あとは、とにかく学生に約束を破られ、裏切られ、いいかげんなことをやられ続けて、ちょっとやそっとでは何も感じなくなった。慣れたのだ。

年を取るとはこういうことかと思う。若い頃ほど教職はきつい職業なのかもしれない。