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38 「単位をよこせ」テロ

学生による不正があった。指導教員が問いただすと、当人も不正を認めたので、単位を認定しないことにした。すると学生は「単位をくれなければ死ぬ」と言い出したそうだ。この単位に卒業がかかっていたのである。
ひたすら死ぬと繰り返し、普通の精神状態ではない。生命の保護を第一とし、反省の態度が見られれば単位を認定したいが、どう思うか。
このように同僚から相談された。

相談というか暴力である。学生は学生で、自分の命を人質に脅してくる。また指導教員は「私は単位をあげたかったが同僚が止めたので学生が死んだ。そうなってもいいのか」と脅してくる。

これまでの大学でも不正はあったが、それを認めた学生が脅しをかけてくることはなかった。この大学にいると自分の信念を曲げなければならない場面が多すぎる。

入試の監督と同じで、不正を摘発する前に、まず「させない」ことが大切である。相談してきた教員は日頃から学生を放ったらかしにしているように見える。日常的に指導していれば防げたことではないかと思う。