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12 「あなたと話してみたいと思って」

大学院生の頃から、「あなたと話してみたいと思って」「あなたの研究の話が聞きたい」と言われることが多々あった。相手は同じ大学院生やポスドクの場合もあれば、大学教員や編集者、ジャーナリストの場合もあった。共通するのは年上の異性ということだ。

当時はコネ作りの一環として応じなければならないのかと思っていたが、いざ行ってみると、

役に立たないアドバイスを聞かされるばかりで、
誰も私の話を聞かなかった。

いわゆる「クソバイス」であり「マンスプレイニング」である。本当に時間の無駄だし、奢ってくれないこともあったので金の無駄でもあった。

昔の自分に、最初から断れよと言いたい。わざわざ年下の人間を呼び出さないと人に話を聞いてもらえない暇な人たちが、権力など持っているわけがない。断っても何も支障なかったのだ。

こういうことを周囲の院生は当時からわかっていたように思う。私が馬鹿だった。