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ウマ娘3期 全力お気持ち表明

ウマ娘3期は本当におもしろくありませんでした。2期が神過ぎたから仕方ないとかそういうレベルでもなく、史実の面から見ても、アニメとして見ても面白くありません。失望して怒りすら覚えるほどでした。

なぜここまで思うようになってしまったのか。その理由を書いていこうと思います。

史実要素が酷い

自分がウマ娘にハマった理由の一つは細かい史実ネタでした。挙げるとキリがないですが、しっかり史実をリスペクトしているんだなと感心したものです。

しかし、3期ではそのリスペクトがあまり見られないどころか酷かったです。特にレースシーンが酷いので、各ウマ娘の強みや勝因がわからないのが本当にダメです。史実のキタサンブラックと言えば、ロングスパートから押し切ったり、脅威の勝負根性からの粘り込みが強さだと思いますが、3期ではあまり描写されていません。それどころか勝った大半のレースはカットされています。

例えば、2016年の天皇賞・春。このレースは逃げるキタサンブラックを一度カレンミロティックが完全に捉えましたが、キタサンブラックがもう一度差し返し、4cm差で勝つすごいレースなんですが…3期ではEDでコマ送りにされました。差し返したところも粘り切ったかのようにされていました。もったいない。

そして負けたレースも敗因が不明なので面白くない。2期にはウサギと亀のくだりがあったりしましたが3期にはそんなもの全くありません。

特にキタサンブラックとサトノダイヤモンドの初対決という、アニメ最大級の見せ場になってもおかしくなかった2016年有馬記念は酷いです。残り1000mでサトノノブレスがキタサンブラックを突いてペースが速くなり、キタサンブラックには苦しい展開に。それでも最後まで粘りますがサトノダイヤモンドの鋭い脚に屈して2着。こんな感じのレースですが、アニメでは何にもありません。レースは実況と共に淡々と進んで最後の直線は謎オーラが出て「うおおおおおおお!!!!」です。おもんな。

百歩譲って突く描写か大人の事情とかでできなかったとしても、せめてなぜサトノダイヤモンドはキタサンブラックの真後ろにつけたのかとか描写できたはずですよね。2期から溜めに溜めた2人のライバル関係を、極限まで心理描写削って意味のない外野の解説入れてこんな出来にしたのは本当に酷いと思います。

極めつけはピークアウト設定ですよ。本当に嫌すぎて設定が初めて出てきたときも一本お気持ちnote書くくらいでした。

そしてピークアウト設定を活かすのかと思えば全く活かさない。苦しそうに練習したりレースするだけです。そりゃそうでしょう、キタサンブラックの5歳秋の成績は2勝3着1回なのだから。せめて「確かにピークは過ぎたけどまだやれる」的な感じで行くなら設定にも納得がいきましたが、そんなことはなく絶望させて悲しむだけ。この後普通にレースに勝つのに意味不明です。無理やり引退の理由を作るために変な設定作ってそのくせ持て余すってどうなんでしょうか。信じられないです。

晩年の、大敗もあったけどほぼ完璧な成績を残したキタサンブラックに対し、ピークアウトという設定をつけたのは余りにも史実に対して失礼だと思います。

盛り上がりに欠けるシナリオ

2期に比べて、3期はシナリオを盛り上げるのが下手でした。2期は、1つのレースを演出するための丸々1話使った「溜め」がありました。だからこそレースに深みがあり、感動を誘いました。

では、3期はどうでしょうか。もちろん2期とはレース数が違いますし、尺の使い方は一概に比較できないかもしれません。しかし、それにしたって盛り上げるのが下手でした。3期はレース数が多いので、基本的にAパートでレースを盛り上げるしかありません。だからこそいい演出をしてレースへの気持ちを高めたいところですが、全く関係ない描写を挟んで尺に無駄に使う場面が多々あるのが本当に解せません。

例えば、9話のAパート。要るでしょうか? 青春するのが悪いとは言いませんがわざわざレース前にやることなんでしょうか。8話に前倒してもっとレースを深くするような演出はできなかったんでしょうか?レース自体のデキはいいのに非常にもったいない。

そしてシュヴァルグランのJC。レース中に急に過去回想が入って彼女のキタサンブラックに対する想いが見えますが…ハッキリ言って遅い。そういう因縁のようなものは初期から演出するから映えるのものでしょう。姉妹の絡みより、もっとキタサンに対する対抗心や嫉妬心を描くべきだったと思います。

13話は違和感しかありませんでした。キタサンブラックはドリームトロフィーリーグに移籍するわけで走る姿が二度と見れなくなるわけではありません。特にドラマもありません。なのに何故かみんな号泣していて本当に怖かったです。2期を意識して作っているのは感じ取れましたが、バックボーンが違いすぎるので泣けるわけがありませんでした。

3期はやりたいことと史実がズレていて、そこを無理やりねじ曲げたのがいけなかったと思います。

キャラの扱い

キャラの扱いは差があり過ぎて酷いです。特にサトノクラウンとサウンズオブアースですね。

サトノクラウンは、1番キタサンブラックと走っているはずなのに掘り下げが全くなくて影が薄く、ほぼサトノダイヤモンドの付け合わせ的存在です。だから彼女がG1を勝っても全く感動できないし、急にライバル面されても違和感が残るわけです。酷すぎる。

サウンズオブアースに関してはなぜ出てきたのかわかりません。ほぼモブです。2期に過剰にカノープスが出てきてもいいように実装されたようにしか思えません。本当に謎です。好きな人はキレていいレベル。

新規キャラが少ない

これに関しては自分の我儘もありますが、新規キャラが少なかったのは残念でした。

例えばですがリアルスティールとゴールドアクター。彼らもキタサンブラックと何度も戦っていますが、アニメではモブなので関わりを無くさざるを得ません。レースには出てこないヴィルシーナとヴィブロスが実装されて彼らが実装されなかったのは本当に残念でした。

また、物議を醸したマリアライトの扱い。彼女もモブでなければ「誰」などという失礼な扱いはされなかったと思います。あの時点で彼女はG1馬で、キタサンとは有馬記念でも競っているのに誰扱いはありえないでしょう。無礼にも程があります。

終わりに

面白かったと思っている人には申し訳ないですが、3期は客観的に見ても明確に失敗です。2期のようにウマ娘ユーザーは増えず、売り上げも伸びませんでした。アニメ評価も中の下程度。何よりAmazonプライムのレビューが、2期は星5が91%なのに対し、3期は星1と星2で50%以上を占めている時点で明確です。

3期はウマ娘アニメの評価を地に落とし、ピークアウトという設定でドリームトロフィーリーグの価値も落とした駄作です。

よりレベルの高いリーグに、ピークアウトしたウマ娘が行くのか?

ウマ娘にとって引退はシビアです。それをテーマに据えるのは悪いとは思いません。ですがそれをキタサンブラックでやる必要は全くなかったと思います。正直3期はキャラ人気にあやかって雑に制作したようにしか感じられません。こんなものでウマ娘の人気を再生しようとしていたなんて片腹痛いです。もし4期をやるなら、違う人が脚本を書いて欲しいです。

ジャングルポケットの映画は、RTTTの続編なだけあってまだ期待しています。ですがこれも転けたらウマ娘への信頼は無に帰してしまうかもしれませんね。少しだけ心配です。

というわけでお気持ち表明はここらで終わります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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