在宅介護が始まりました!

初日から既に1週間も経過した気分になってしまった母と私ですが、始まったらやること…というより覚えること盛り沢山で息つく暇もありません。

まずは、1番懸念されていた痰取り。
本来であれば、退院前に習得しておくべき痰取りについては、訪問看護師の方に見本を見せていただき、それを動画に撮って母と復習しました。ただ、実戦は痰が溜まっている時にしか出来ないのが難点。痰が溜まらないというのはとても良い事ですが、実戦ができないのは困りました。病院では2時間毎に引いていた痰は、自宅に帰ってきたらすっかり鳴りを潜めています。このまま痰取りの習得ができないままではマズいので、大して溜まっていない状態ではありましたが、父で実習しました(笑)

父が大嫌いな痰取りの実習をさせてくれた甲斐もあり、なんと、母はわずか2日で習得し、私もその後すぐにキャッチアップでき、最難関だと思われた痰取りは問題なくクリアしたのでした!

次に、胃瘻からの薬の投薬です。最初は、正直、胃瘻を見るのも恐ろしく全てがおっかなびっくりでした。お腹に胃まで通じている入り口があるだなんて考えられません。その入り口はボタンのようになっていて、ボタンの蓋を開けそこにチューブを装着して注射器のような形をしたシリンジという器具で薬を投薬します。
投薬までの流れは難しいことは何もないのですが、問題はお腹に直接埋め込まれている蓋の取り扱いでした。骨と皮だけに痩せ細った父の身体はただでさえ痛々しいのですが、小さな蓋をカチッというまで開け閉め(特に閉める際)する時と、その小さな入り口にチューブを装着および着脱するのに多少のコツが要り、またまた父の身体を使って複数回実習しました。こちらについても2日目には無事にクリア!

お次は命綱である点滴の交換です。胃瘻から栄養を入れられない父は、高濃度の栄養を足の付け根にある太い静脈から直接入れていて、傍らには黄色い液体の入った大きな点滴バックが常にぶら下がっています。
その黄色い輸液は、透明と濃い黄色の2種類の液体(中身は忘れました)を混ぜて使います。劣化しないように投入直前に混ぜる仕組みになっているようです。全体に輸液が混ざるように片面から圧をかけるのですが、70歳も過ぎて小柄な母は力がなくてなかなか輸液が混ざり合いません。この課題も何度かトライをして、コツを掴みました。点滴本体に刺してあるチューブの抜き差しも同様で、なかなか力が必要でしたが、無事にクリア。こんな些細なところで老老介護の大変さを感じます。

これら3点は、いずれも医療行為にあたるため、ヘルパーさんは有資格者でないと出来ないとのこと。家族は資格が無くても医療行為をして良いそうなので、看護師さんの指導のもと、まずはこの基本の3つを習得し身体ケアなどはヘルパーさんにお任せしようということになりました。

在宅介護3日目くらいで、既にひと月が経過した感覚でしたが、母と私は「なんか楽しいね」と言い合い、不思議と辛いとか大変などのネガティブな感情は一切ありません。父は言うまでもなく大満足の様子です。強いて言うなら、そう遠くない未来にまたこの生活が変わってしまうことの方が不安に感じているかも。特に母のことが心配です。。。まっ、それは“今“考えるべきことではありませんね!

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