メーカーで個性異なる「デュアルカメラスマホ」夏の陣

夏商戦向けの新製品スマホが出揃った。

今夏のトレンドはスマホ本体の背面に複数のカメラを内蔵する「デュアルカメラ」であることは間違いない。しかし、各社とも2つのカメラをどのように使い、画作りに活かしていくかの考え方が大きく異なるのが面白い。

すでに発売済みのサムスン電子「Galaxy S9+」では、望遠と明るいレンズとの組み合わせとなっている。特にF値1.5のレンズにより、夜景での撮影に強いのが特徴だ。

今夏からデュアルカメラに対応したソニー「Xperia XZ2 Premium」はカラーとモノクロのカメラを載せつつ、自社開発の画像処理チップを載せることで、こちらも暗闇での撮影を得意とする。特に夜間での動画撮影に強いとされ、花火などの撮影に適しているとソニーでは説明している。

一方、シャープは動画専用と静止画専用という2つのカメラを組み合わせた「AQUOS R2」を投入する。スマホで撮影する場合、「この場面は動画で撮るべきか、静止画で撮るべきか」と悩むことがあるが、AQUOS R2なら、動画を撮影している間にAIが、ベストショットと思える瞬間に静止画を自動的に撮影してくれる。実際に動き回る1歳半の息子を撮影してみたが、確かに動画撮影中、笑顔になった瞬間に静止画を撮ってくれるなどかなり便利に使える。ただ、時々、AIが「これがベストショット?」というような静止画も撮影してしまい、完璧ではないのだが、それでも動画と静止画を一緒に撮れるのは、意外と重宝する。

SIMフリースマホで他社に先駆けてデュアルカメラを手がけ、今夏にはNTTドコモが独占販売するファーウェイ「P20 Pro 」は、カラーとモノクロという2つのカメラに加え、望遠のカメラも載せる「トリプルカメラ」のスマホとなっている。さらに、大型のセンサーを搭載することで、夜景などの暗いところでもかなり綺麗な撮影が可能だ。実際に、P20 Proを持ち歩いて使っているが、ちょっとした記者会見でも、離れた場所から撮影しても、記事化に耐えられる画質で撮影できるし、夜間の撮影もスマホとは思えないクオリティで撮影が可能だ。

「デュアルカメラスマホ」といっても、各社でのコンセプトの違いがハッキリと出ているため、自分の用途にあったスマホを選ぶといいだろう。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30954140V20C18A5000000/

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