20190505投信AI

投資信託は安全・安心ではない! AI編

世間一般では株式投資は危険だけれども、投資信託なら安心・安全といった雰囲気があります。明らかに間違っています。有名な会社が推奨しているとか、話題のテクノロジーを利用しているとか、そういったものはリターンには何の役にも立たないどころか、むしろそういったことに目を奪われて、事実に気が付きにくくなることがほとんどです。

そういった悲劇にあわない、回避できるように、「不都合な真実」を紹介していきたいと思います。

まず、最初に紹介しなければいけないのは

AI日本株式オープン(絶対収益追求型)(愛称:日本AI(あい))
三菱UFJ国際投信株式会社

でしょう。”超”大手の投信会社が運用、指示等を行うといっていますし、最近はやりの”AI”が銘柄選択を行ってくれるようです。囲碁や将棋でのAIの活躍はすさまじいものがあり、人間よりもAIが行った方が確実・安全なのでは、、と思ってしまいます。さらに、”とどめの一言”に(絶対収益追求型)という、マーケットが下落してもプラスのリターンを狙うという文言まで入っていて、複数の投資信託を並べられたらこれを選ばない理由はないというような”期待させるネーミング”になっています。銀行や証券窓口で、きれいなお姉さんに紹介されたら思わずこの投資信託にするか、、なんて思ってしまうかもしれません。

ただ、愛称がAI(えーあい)ではなく、(あい)となっていることに一抹の不安というか、違和感というか、疑問を感じるネーミングになっています。
そして、その違和感は正しいのです。

このブログではおなじみの期間ごと、銘柄ごとのパフォーマンスチャートを見てみましょう。左が2018年1月からの長期、真中が2018年10月からの中期、一番右が今年になってからの成績です。

青が、S&P500に連動するETF (SPY)
オレンジが日経225
緑がAI日本株式オープン(絶対収益追求型)(愛称:日本AI(あい))

私のデータ取得が間違っていて、プロットし間違いと思われるかもしれませんので、直近3カ月の運用状況(2019年04月18日時点)のスクリーンキャプチャを載せておきましょう。


!!絶対収益追求型で下落時にも収益を狙いに行くのではなかったのでしょうか?

狙いにいくとは書いてありますが、「できる」とは書いてないはずです

囲碁や将棋で名人をなぎ倒したAIが銘柄を選んでくれるのではなかったのでしょうか?

囲碁や将棋で有名になったAIはそもそもこの投資信託には使われてないですし、誤解・期待値が高すぎたのでは?

orz,,,  (T﹏T)

このファンドの目論見書と直近3カ月の運用状況(2019年04月18日時点)のURLを載せておきます。

目論見書
https://www.am.mufg.jp/pdf/koumokuromi/252629/252629_20190427.pdf

直近3カ月の運用状況(2019年04月18日時点)
https://www.am.mufg.jp/text/252629_190418.pdf


運用において、理想の高さと、現実の厳しさの差というものは、エベレストとか、アルプス山脈が目の前にあるかのような、高く険しく、乗り越えるのが極めて困難な問題だと思います。そしてそういった問題があるというのは、実際の投資を行う人間であれば、個人投資家であろうと、大手の機関投資家であろうと変わらないはずです。

個人投資家はその困難さのため、山脈のふもとを大回りして、目的地に向かいますし、われわれのイメージ、漠然とした想像として最先端の機関投資家はヘリコプターで一気に山頂を超えて、目的地に行けると、思ってしまいがちです。

実際は大間違いです。


個別の名前とか、出すのに少し抵抗はあったのですが、このファンドは罪が深すぎて、こんなことを繰り返してはいけないと思い、指摘することにしました。弱小個人投資家の個人的な見解です。


「投資信託は安全・安心ではない! 日本の株式市場:平成の総括編」という記事も書いています。興味あれば読んでみてください。


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