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HONGO22515のこれまでとこれから(その1)

タケガタの仕事上の失策でHONGO22515の家賃の支払いが困難な状況となってしまい、2月15日にこのnoteで緊急カンパのお願いをしたところ、17日までの3日間で150万円を超えるご支援をいただき、週末に送金していただいた方の分を含めると70名の皆様より総額1,632,777円ものカンパをいただきました。本当にありがとうございます。日曜日に参加した湯島のとあるサロンでも「地域の居場所作り」が話題となり、一連のできごとは「会って話ができる場所が求められている」ということを強く再認識する機会になりました。タケガタがいったい何を目指してどういうことをやっていこうとしているのか、少しずつ書いていこうと思います。

僕が文京区本郷2丁目にこの事務所を借りたのは2014年の6月のことです。2011年に起こった東日本大震災の後、復興支援のボランティアを経験して「おたがいさまの助け合い」の心地よさを知りました。そこからお金ではない価値のありかたについて考えるようになり、ベーシックインカムや地域通貨について勉強し、2014年の正月に書いたのが次のような概念図でした。


これにすかさず反応してくれたのが大学時代にバンド仲間だった清武清君でした。曰く。「東京みたいな都会じゃなくて宮崎みたいな田舎でやってみたらいんじゃねーの?面白そうな人いろいろ知ってるから紹介してやるよ」と。清武君は大学を卒業して故郷の宮崎で地元のテレビ局に就職し、取材を通して地域の繋がりが弱くなっていることを感じていたようです。


そんなことから宮崎へ足繁く通うようになり、油津の商店街再生や椎葉の中山間集落を見て回り、ゴーストタウン化した駅前ビルの居場所「ふれあいサロン」の利用者から話を聞いたり、廃校跡地のイベントに参加して運営スタッフから話を聞くなど、短期間のうちにかなりのスピードでいろいろなことを学びました。高齢者の生活支援のために「おたすけSNS」を試作したのもこの頃です。ただ、当時はスマートフォンを持っている高齢者がほとんどおらず、お蔵入りになってしまいました。


いろいろなことを試している間に人が集まる「1階の通りに面した場所」の魅力に取り憑かれるようになります。当時は湯島にワンルームを借りて1人でITの仕事をしていたのですが、本郷に見つけた今の事務所をかなり思い切って借りることにします。借りた当初は顧客先に出向いて作業をする仕事を引き受けることが多く、本郷の事務所にいられる時間は限られていました。それでも椅子やテーブルを少しずつ揃え本棚を作り、地域活動に関係する書籍を集めるなど、少しずつ環境を整えていきました。ただ、地元にはほとんど知り合いがいないので人が集まって話をするような機会も上手く作ることができず、苦労して家賃を払っている割には成果らしいものがなかなか見えてこない時期が長く続きました


2016年になると本郷から徒歩圏内にある区民センターがリニューアルされ、地下には文京区社会福祉協議会が運営する「地域連携ステーション・フミコム」という場所ができました。フミコムでは地域活動に関するさまざまなイベントや勉強会が開かれ、そこで知り合った友達と地域のつながりについていろいろな話をするようになりました。イベントが終わっても話し足りないということがちょくちょくあり「タケガタの事務所で飲みながら話そうぜ」という流れが徐々にできてきます。文京区では「新たな公共プロジェクト」という枠組みでSIP(ソーシャル・イノベーション・プラットフォーム)という仕組みを作り、さまざまな企画を行っていました。僕は「こまじいのうちに学ぶ空き家・空きスペースの活用講座」に参加して本駒込に「キーベース」という居場所を作ったり、「地域活動ファシリテーター・コーディネーター養成講座」に通って「文京社会起業フェスタ」の企画運営を手伝ったりしました。どちらもかなり中身の濃い講座で、本当にたくさんのことを学びました。


ところが、2017年の3月に「新たな公共プロジェクト」は終わってしまいます。「新たな公共」は民主党が持ち出した言葉なので自民党が優勢になった議会ではウケがよくない、というようなことを言っていた人もいますが、実際のところはどうなのか、そんなことを気にしたところで仕方がありません。ただ、これまでの仲間がバラけてしまうのはもったいないので「文京まちたいわ」というグループを作ってSIPの流れを引き継いていくことになりました。新たな公共プロジェクトは2013年から始まっていて僕が参加したのは最後の1年だけです。なので、文京まちたいわのミーティングにも最初は遠慮がちに参加していたのですが、「タケガタ事務所」でミーティングが開かれることが多くなり、いつしかミーティングを招集する事務局を担当するようになっていました。食べ物(カレーなど)や飲み物(ビールなど)を用意するなど参加者を増やす工夫をするようになったのもこの頃からです。

新たな公共プロジェクトでは毎年2月11日の建国記念の日に「文京社会起業フェスタ」を開催していたのですが、年末ごろから「今年はどうするの?」と、ソワソワする人が増え始め「よし、じゃぁやろう」となったのが2018年の年明け、そこから会場を探して内容を決めてチラシを作って告知と、かなりのスピード感で第1回の「文京まちたいわフェス」の準備が進められました。当日は文京区でも老舗の旅館である「鳳明館」の森川別館にある宴会場を借りて50人ぐらいの規模で開催されました。こういうことがスッっとできてしまう凄いメンバーが集まっているのが「文京まちたいわ」なのであります。

つづく

僕に地域活動のイロハを教えてくれた清武清くんは先月病気でこの世を去りました。彼の意志を引き継いで頑張りたいと思います。

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