見出し画像

HONGO22515のこれまでとこれから(その3)

 2014年に本郷に事務所を借りてからいつか買おうと思っていたものがありました。大判のポスターが印刷できるプリンタです。事務所を借りたときにやろうとしていたことは「商店街に人を戻すための仕組みづくり」でした。人が集まる場所を作るには常に「ちょっとしたビジュアルの変化」があることが重要ではないかと思ったのです。元気の無い店では貼ってあるポスターが古びたままになっていることも多いと思いますが、2週間に1度でもポスターを張り替えると、それだけで雰囲気を良くすることができるのではないか、それをきっかけにお客を呼び戻すサイクルを構築できないか、と考えていたのです。小規模の商店の多くは明らかに広報や宣伝が足りていません。デジタルの時代ですからTwitterやInstagramなどネットでお客との関係を作らなければ商売を続けていくことは不可能です。ただ、いきなりネットだけで広告戦略を作っても、地域でのビジネスに結びつけるのは難しいでしょう。ポスターやチラシといった紙媒体とネットの媒体を組み合わせることがポイントになるのではないかと考えていました(今でもそう思っています)。
 僕はグラフィック・デザインを学んだことがあるわけではないので、ポスターのデザインはデザイナーを目指す若者とのコラボレーションを考えていました。自分のデザインしたポスターを大きなサイズで印刷できるならギャラが安くてもやってみたい、というデザイナーがいるのではないかと思ったのです。キャノン系列の事務機屋さんが飛び込みで営業に来たので見積もりや印刷のサンプルをお願いしたりしていたのですが、そうこうしているうちにEPSONのプリンターのキャンペーンでA1版のポスタープリンタが安くなっているのを見つけました。SC-T3250+専用スタンドで税込み183,570 円です。キャノンを買うつもりで場所まで用意していたので速攻でポチッと行きました(ただし24回払い)。2018年夏のことです。
 地域で広報支援の仕事をするために、これまでITの仕事をやってきたヴェルテックとは別の会社を作ることにしました。文京メディア・ブリッジ合同会社です。社名に「文京」を入れて地域へのこだわりを強調しました。この会社での仕事はまだ軌道に乗ってはいませんが、名刺を交換する際に好意的な言葉をかけていただくことが多いように思います。こんな名刺です。


新たに作った会社を軌道に乗せるにはある程度の時間がかかるだろうと考えていたので、引き続きヴェルテックでのITの仕事で家賃を稼ぐという状況が続きます。

 この頃、地域の居場所を紹介するイベントを企画しているという文京建築会ユースの方から連絡があり、冊子を作るので写真と紹介文を送って欲しいとのことでした。その頃は事務所をコミュニティスペースとしてオープンにするということはやっていましたが、スペースに名前がついているわけではなく、仲間内では「タケガタハウス」などと呼ばれていました。急いで名前をつけなければなりません。僕は「名前を考える」のが苦手で、最初の会社の「ヴェルテック」という名前を付けるのに3ヶ月以上悩みに悩んだという過去があります。今回もいい名前が思い浮かばず、時間切れで「名称」の欄にHONGO22515と書いて送りました。本郷2丁目25番15号という番地をそのままアルファベットと数字で並べたものです。その内カッコイイ名前を考えようと思いながら今に至ります(「数字が覚えにくい」と不評です笑)。

 夏に買ったポスタープリンタはほとんど使われることもなく冬を迎えることになりますが、文京まちたいわフェス2019の準備で大活躍することになります。

つづく

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?