スイッチ

朝起きたら珍しい人から連絡が来ていた。
かなちゃん。あなたに会いたいです。
という唐突な連絡。

小学校から今まで変わらず仲良くしてくれる幼馴染みの彼女は、昔から感受性が豊かで力強くて一緒にいると楽しくて大きな声で笑うかなり目立つタイプの子でした。
早くに結婚をして子供も2人いるパワフルな女だが、実はかなり繊細という事を私は知ってる。

そんな彼女からの突然の連絡に、レスポンス早子の私は今日か明日の夜空いてます。
とすぐに返事をしてしまった。
会いたいって言われて嬉しくない人間などいないのです。はい。嬉しかったなぁ。

連絡が来た日の夜に2人でご飯を食べた。
何かあったの？と聞いた私にあの子はゆっくり話し出した。

人気絶頂俳優が死んだってゆうニュースを見て以来、好きだったわけでもないのにいろんな報道を見てすごい心が病んだ。と。
1週間ほど経って、これはいかん。誰かに会いたいと思った時に私を思い出してくれたらしい。

人間というのは、弱い。
順風満帆に見えても、弱い。
いつどこでどんなスイッチが入るか誰にも…自分ですら分からない。
そんな時に思い出して会いたくなる相手。であれて嬉しかったよ。不謹慎かもやけど、嬉しかった。

月並みな私のつまらない話を間髪入れずに聞かせまくった結果、彼女は笑顔で帰って行きました。あんな話で良かったんかな…。

今こんな状況でなかなか誰かに会うのは厳しいけど。
なんかあったら会いたくなる相手がいる事。
その相手に自分が選んでもらえる事。
幸せだと思って日々淡々と頑張るよ。

ありがとうね。愛してるよ。