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●完全版:6/13(月)◆看護学生の「大量自主退学事件」と、ナイチンゲール。いま、まさに国民的問題ではないのでしょうか

【注】
下記の文章は、前半のみですが、もし100%掲載の「完全版」
をご希望のかたは、お求め下さい。毎回、後半部分が、真髄です。
山田の熱い思いが綴られています。

難(むずか)しいことを易(やさ)しく、悲観を楽観に、そして
全員の人たちを「笑顔へ」と、つなぎたい……。

★★なお、本文のコピーや、転載、転送、抜粋などは著作権法
  に触れます。皆さんには関係がないと思いますが、山田が
  今後も皆さんのために活動したいため、ぜひその点、よろ
  しくお願いします。



◆◆━━━━━━━━━━━━━━◆◆

ニッポン人の心と体を、「笑顔で」救う!

★完全版メルマガ「暮しの赤信号」★

2022年6月13日(月)号

No.4348

毎朝、早朝5時、全世界に向けて2つの
配信スタンドから合計約5200部を発行。
(日曜のみ休刊)

創刊日:2004/10/5

【注】まぐまぐ!から受信されると、
上部に[PR]と記載した広告が掲載され
ますが、当方とは無関係です。

◆◆━━━━━━━━━━━━━━◆◆

『脱コンビニ食!』(平凡社新書)や
『危険な食品』(宝島社新書)などの著
者で、食生態学者、そして日本危機管理
学会員でもある山田博士(ひろし)が配
信。食べものだけでなく、人としての生
きかたを考えます。なんともユーモラス
な文体が人気のようで……。





本日の「完全版」は、100%掲載です。
山田のすべてを、受け取って下さい。

本日の「短縮版」は、省略しています。
でも、人生のヒントになれば嬉しいです。





やあ、こんにちは。
山田博士(ひろし)です。
お元気でしたか!

今日もまたお逢いしましたね。
嬉しいです。

地球という星を平和にしたい。
そして子どもたちの頬(ほほ)に流れる
涙をストップさせたい。

空をのんびり旅する雲たちを眺めながら、
ぼくはいつもその方法を考えています。

そのために、「食べもの」が人を180
度変え、家族を変え、文明を変え、歴史
を変えてきた重い事実を、知ってほしい。





▼本日の目次▼

【1】

本日は、電子書籍「社会の裏側!」の新作
原稿です。後日、公開する予定。
(隔週月曜日に、ここで発表しています)

今回のタイトル
↓↓↓

看護学生の「大量自主退学事件」と、ナイ
チンゲールについて!






==================

【1】

本日は、電子書籍「社会の裏側!」の新作
原稿です。後日、公開する予定。
(隔週月曜日に、ここで発表しています)

~本日の「短縮版」のほうでは、前半だけ
を掲載しておりますので、ご了承下さい~

==================



今回のタイトル
↓ ↓ ↓
__________________

看護学生の「大量自主退学事件」と、ナイ
チンゲールについて!

~いつの日か、こういう事件が起こるとは
想像していましたが、「看護学校」の構造的
内容、そして、「看護教師」の問題など、
もしナイチンゲールが、いまの日本を見れ
ばどうつぶやくのでしょうね~

__________________





【目次】……と言うより、レジメのように
内容を記載しておりますので、これだけで、
およその概要が分かるかと思います。


★(第1章)

いまのように、ネット社会が広がり、互い
のつきあいをできるだけ避けている若者が
増えている中で、わざわざ看護という生身
(なまみ)の人を相手にする職業を選ぼう
としている若者たちの夢が、なぜ突然、断
ち切られるのか……

★(第2章)

ナイチンゲールの遺(のこ)した名言。「天
使とは、美しい花をまき散らす者ではなく、
苦悩する者のために戦う者である」。う~む、
いいですなあ……

★(第3章)

ある「看護学生3年」の言葉。……命を預
かる責任のある職業なのはわかっていま
す。ですが、看護師になる前に体が壊れて
しまいます。学内実習ですが、毎日先生に
怒られてグループの誰かは毎日泣いている
状況です……







★(第1章)

いまのように、ネット社会が広がり、互い
のつきあいをできるだけ避けている若者が
増えている中で、わざわざ看護という生身
(なまみ)の人を相手にする職業を選ぼう
としている若者たちの夢が、なぜ突然、断
ち切られるのか……



最近、ぼくの身内が入院しましたが、その
ときに思ったこと。

担当医師の顔はほとんど見かけませんでし
たが、いつも患者のそばに寄り添い、優し
い声を掛けて下さる看護師さん。

このとき、看護師の存在は、弱気になって
いる患者本人にとっても、家族にとっても、
本当に大きいものだなあと痛感しました。

でも、その大切な存在である看護師になろ
うとしている若い人たちが、その「玄関口」
で挫折(ざせつ)している。

しかも、その原因が教師によるパワハラだ
とか。

そして、彼らの夢が絶たれ、泣いている…
…という現実が、目の前で浮かび上がって
きました。

ある看護学校で、看護学生たちが「大量に
自主退学」し、教員のパワハラを訴えてい
るんだという事件が、ついに起こったわけ
ですね。

★★★

これにはぼくも、衝撃を受けました。

千葉県の木更津市にある「木更津看護学院」
で、学生たちが大量に自主退学し、教員の
パワハラを訴えて、第三者による「ハラス
メント調査委員会」が発足したというわけ
です。

じつは、これらの事情については、内部の
世界では、もうかなり以前から指摘されて
いました。

いつか、「事件」が起こるだろう、とね。

そのため、現在の「看護学校」の構造的内
容、そして、「看護教師」の問題。

そのようなことを、今回改めて考えたいな
と思いました。

若い人にとって、これほど、悲しいことっ
て、ありますか。

★★★

いまのように、ネット社会が広がり、互い
のつきあいをできるだけ避けている若者が
増えている中で、わざわざ看護という生身
(なまみ)の人を相手にする職業を選ぼう
としている若者たち。

そのような若者の夢が、なぜ突然、断ち切
られるのか。

若い人が大好きなぼくは、今回の「事件」
を聞いたとき、何度も言いますが、心から
ショックを受けました。

これは、今回だけの問題なのか、それとも、
単なる●●の一角なのか(●●は、下記の
設問をご覧下さい)。

そして、日本の看護体制の「構造的な悲し
み」なのか。

今回は、そのあたりを、少し考えてみたい
なと思います。

★★★

だって、いま元気なあなただって、災害や
事故や事件や病気などで、いつ看護師さん
のお世話にならないとも限りません。

また、いま若い人も、生きていれば、やが
て老人になります。

いま、老人たちを笑っている若者も、必
ず、自分が老人になれば、若者から同じ
ように笑われるはずです。

そのような「老少不定(ろうしょうふじょ
う)」については、常に謙虚に心に留(と)
めておく必要があるでしょうね。

それが、優しさの元(もと)になります。

そして病床(びょうしょう)に伏したとき、
看護師さんの存在が、実感として身近なも
のとなり、心から感謝する日が、必ずやっ
てくるはずです。

★★★

ただ、今回の、この「大量自主退学事件」
を眺める前に、ちょっと、フローレンス・
ナイチンゲールについて、述べたいこと
があります。

ちょっと、聞いて下さいな。

え?

またまた、山田サン、突然何を……と思わ
れるのかもしれませんが、ぼくは、以前か
ら、この「ナイチンゲール」について、関
心がありました。

こうした悲惨な事件が起こらないと、なか
なか皆さんにお伝えできないため、かえっ
てこの機会ができて良かったのかなとも思
っています。

でも、彼女の行動は、不思議に「現在と強
く重なって」います。

イギリス人の「ナイチンゲール」が、19世
紀中期に勃発したクリミア戦争に看護師と
して従軍したことは、いまの「ロシア軍に
よるウクライナ侵攻」と、ぼくにはダブっ
て見えるんですね。

現在のクリミアは、ウクライナに所属して
いますが、当時の場所も、現在の戦争と同
じ、クリミアです。

★★★

もし、彼女がいまを生きていたら……。

どのように行動するのか。

そう思うのは、ぼくだけでしょうか。

そのため、彼女について、少し、次章で述
べてみようと思います。

フローレンス・ナイチンゲールの、こうし
た事実を知れば、今回の「大量自主退学事
件」の加害者たちは、いったいどう思うの
でしょうね。

現場の人たち、とくに教える立場の人たち
に、本来の看護の意味を、再度、見つめ直
してほしいなと願っています。




★(第2章)

ナイチンゲールの遺(のこ)した名言。「天
使とは、美しい花をまき散らす者ではなく、
苦悩する者のために戦う者である」。う~む、
いいですなあ……



フローレンス・ナイチンゲール。

誰でも、現在、看護学校に入学する際には、
この「ナイチンゲールの誓(ちか)い」と
いうものを立て、彼女が執筆した「看護覚
え書き」というものを読んで、学んだりし
ます。

つまり、それほど、彼女が遺(のこ)した
行動には、現代のいまであっても、重みが
あるのでしょうね。

イギリス人の彼女は、1820年、両親の滞在
したイタリアのフィレンツェで生まれまし
た。

看護学校を卒業して看護師となった彼女は、
そのとき、「クリミア戦争」の渦中(かち
ゅう)にあった後方支援病院へ赴(おも
む)きます。

だけど、その医療現場を見て彼女は衝撃を
受けるわけですね。

★★★

当時の看護は、公衆衛生に対する意識が
驚くほど低いものだったのです。

つまり、戦争で傷つき運ばれてきて、痛み
で唸(うな)っている患者たちが、床(ゆ
か)に並べられています。

そして、汲(く)み置きの水と生茹(なま
ゆ)での肉が与えられ、患者に巻いた包帯
は消毒もされていなくて、色が変わるまで
放置されたものでした。

その患者のすぐ横を、なんとネズミが、バ
タバタと通り過ぎるという……。

でも、彼女は、「普通の」看護師では無か
った。

彼女は次々と改革をおこなって、それら
の状況を一変させるわけですね。

病床(びょうしょう)を用意して、煮沸
(しゃふつ)した清潔な水と、温かく調
理した料理を患者に与えます。

★★★

そして、包帯を毎日変えるよう指示して、
彼女自身も、なんと夜通し8時間、包帯
を巻き続けた……と、記録にあります。

現在ではこんなこと当たり前かもしれませ
んが、当時は、多くの患者たちは、このよ
うな不衛生な環境の中で、苦しんでいたわ
けですね。

でも、彼女の行動で、病院内の衛生環境は
目に見えて改善し、彼女の着任後、院内の
死亡率は激減したと言います。

彼女の赴任(ふにん)した当初は、患者の
40%以上が亡くなっていたのですが、それ
が、この野戦病院では、死亡率が2%まで
下がったと……。

いやあ、凄(すご)いものですなあ。

これほど、「看護」のチカラとは尊(とう
と)いものなんです。

医療とは、クスリや注射だけじゃない。

★★★

こうして、「クリミア戦争」に看護師とし
て従軍した彼女は、この看護師という響き
から、母性的で優しげな女性をイメージ
しがちですが、ただそれだけではなかった
わけですね。

驚かれるでしょうが、じつは、彼女は、
「統計学者」でもあったのです。

つまり、死亡統計の改善に尽力して、医療
統計学を生み出しました。

まさに「統計学の母」でもあったのですね。

彼女が考案した死亡率や、平均入院日数の
計算方式は、現在の医療統計学でも、その
まま使われているほどです。

先述した「クリミア戦争」での野戦病院の
経験から、陸軍病院の死亡の大半は戦争に
よるケガじゃなく、院内の劣悪な衛生環境
にある……ということを突き止めました。

★★★

いやあ、凄(すご)い洞察力ですよね。

ただ看護だけをしていたわけじゃないとこ
ろが、彼女の立派なところ。

どうすれば、目の前で苦しんでいる患者を
救うことができるのか。
一人ひとりの立場になって考えました。

ただ単に、クスリなど、物質だけの問題じ
ゃない。

自分にできる「人助け」とは何なのか。

一所懸命に考えた彼女は、冒頭で述べたよ
うに、いまどき、看護師を目指す現在の若
者たちと同じです。

そのような心を持つ人が、もっともっと実
際に現場に出てほしい。

そして、世界を救ってほしい。

でも、それがこの日本では生かされていな
いんですね。

そのため、ここで、こうして述べているの
ですが、とにかく、「ナイチンゲール」は、
いままで学んだ統計学を生かして、皆さん、
すでにご存じのあの「こうもりグラフ」や、
「鶏(ニワトリ)のとさかグラフ」などの
さまざまなデータの可視化(かしか。映像
やグラフ・表などにして分かりやすくする
こと)を行っています。

★★★

そして、こうした統計のデータを持って、
当時の病院の現状をイギリス議会に訴えたり
もしました。

この行動力。

あなた、できますか(笑)。

ぼくなど、ただただ、感服するばかりです。

のちに、この「クリミア戦争」時に集めら
れたナイチンゲール基金をもとにして、
「ナイチンゲール看護学校」が創設されま
した。

そして、その卒業生は世界中に散らばり、
各国の医療状況をどんどんと変革して行き
ました。

ところで、入院やお見舞いなどを体験され
たかたならすでにお分かりでしょうが、い
までは当たり前となっているあの「ナース
コール」や「ナースステーション」などは、
じつは、彼女が考案したものなんです。

病院へ行くと、その病院も同じような構造
になっていますよね。

つまり、「ナイチンゲール」の功績は現在
に続いているわけなんです。

★★★

いまも述べましたが、病院の基本設計にも、
彼女は大きな功績を残しております。

病院建築の形式が、いままでの「コリドー
型(諸室を一つの建物にまとめて廊下を
通す方式)」から、現在の「パビリオン型
(複数の建物でつくる方式)」に変わって
いったのも、彼女の影響です。

そして、こうした功績が讃(たた)えられ、
彼女は1859年、女性として初めて「王立
統計協会」の女性会員に選ばれました。

その16年後には、今度は米国統計学会の名
誉会員にもなっているんですね。

つまり、先述したように、彼女は、看護師
というより、れっきとした「統計学者」な
のでした。

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