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はじめまして

思いを伝えることは、まず自分のなかに生まれた思いを認めることからはじまる。それをちゃんと把握して言葉にするまでの作業に、どうしても時間をかけてしまう癖があるのだが、思いを言葉にしないとなかったことになってしまうのなら、せめてその存在を証明してみよう。知ったつもりにならないで済む。しかも、思いがびゅんびゅんと飛び交うことで、いいことがあるかもしれないなぁと思えた。最近、言葉からたくさんのことをもらった経験が、そう思わせてくれた。

だから、やっとこさnoteをはじめました。というご挨拶です。

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考えることはひとつ、やることは山盛り。

つぎの春で、沖縄にきて5年目を迎える。三回の引っ越しを経て、今は沖縄のやんばるのちいさな集落で、85歳になってもラブラブなおじいおばあの家のとなりで(すこし嫉妬しながら)生活をしている。ここは祖母の生まれ故郷。

上の写真は、ご先祖様をお見送りする旧盆のウークイ。普段は仏壇だけがある空き家になっているが、このときは灯りがともされ、たくさんの御供物が並ぶ。そこに人々が集まり、語らう。この季節ほど、いま自分がここで生かされていることについて考える時間はない。生きることは祈ることであり、自然とのつながりをひしひしと感じるのである。

文化がすすむにつれて、我々はいろんなことを教えられ、気づいて来、広い世界のことを知るようになってきた。しかし、それは自分の努力によって、あるいは愛情のからみあいによって得たものはどれほどあるだろうか。(民俗学者 宮本常一)

移動が容易くなって、人と情報がつながりやすい時代に、手足を動かして見て聞いて感じることがどれだけできるのか。一つの地域に居続けること、島で生きることにどれだけの覚悟があるだろうか。と、いつも私に問いかけるのは、民俗学者の宮本常一である。

いろんな比較や分析を繰り返すけれど考えることはひとつ、「大切にしたい沖縄の風景をどのように残していくか」ということ。そのためには、たくさんのことをやらなくっちゃいけない。一人では限りはあるけれど、幸いにもスーパー頼もしい仲間に囲まれていることで、最近はスピードを増して一歩ずつ進み始めている。

いま、やっていることを挙げるならば、大きく分けて3つある。

● 山田図画工作屋という屋号のもと、イラストやデザイン、アイデアを生かして、沖縄の食や農業、生活文化を伝えつなぐ。
● Slow Food Ryukyuとして、島々にある食の記録を綴り、情報発信したり。「おいしい」を共有したり。Slow Food を合言葉にして、沖縄の思いある生産者さんやシェフ、ローカルな活動をつなげる。
● 愛と希望の共同売店プロジェクトでは、沖縄で百年以上も前に生まれた「共同売店」の意味や価値を、小林と山田なりに表現して発信する。共同売店がつづくことと、あたらしく生まれることを目指して。

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行き着く先は、体がなかなか思うように動かなくても、そこらへんにある爪楊枝を使って「これもリハビリだからよ、ボケ予防さ〜」といって三線を弾きこなす、こんなセンスあるおばぁになりたい。

まだまだ未熟で程遠いが、ここに、ひとつの意志として書き記す。

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