PNGイメージ-F3DC46874C32-1

愛と希望の、共同売店だ

いま、山田の脳みその大部分を占めているのは「共同売店」。
「共同売店」とは、互いに支え合う相互扶助の精神をもって、100年以上も前に沖縄本島最北端の奥という集落から生まれた仕組み。食料品や日用品を販売する商店だが、その特徴は住民どうしが資金を出し合って運営することにある。

地域が抱えている大体の悩み事って共同売店にこそ解決のヒントがあるのでは?これからを真剣に考えた先に行き着くのは、共同売店ではないか?
そんな共同売店のすごさと、つっこまずにはいられない面白さにハッと気付いてしまった大学生のときからそんな病にかかっている。のめり込むように、卒業論文まで書いてしまった。

画像2

ついには、「愛と希望の共同売店プロジェクト」なんていう壮大な名前を掲げて、小林と山田でスタートしたのは2018年11月のこと。

共同売店に関する投稿ははじめてなので、「なぜ共同売店に興味を持ったのか」ということにもうすこしフォーカスを当ててみよう。

山田と共同売店の出会い

私は生まれ育った東京で暮らしながら、大学では社会学を学んでいた。そして、時間とお金さえあれば、自分のルーツがある名護東海岸という地域にすべてを捧げるようにして大学生活を送っていた。沖縄にいるときには、おじいおばあが語る言葉や眼差しに学びたいものがあると、心の奥で深く頷いている自分を確かめる。そんなときに情報収集をしていたのは、決まって「共同売店」だった。

”沖縄を取り巻く社会を知りたい”という漠然とした理由で専攻した社会学と、”地に足をつけて在野の研究をつづけた宮本常一”から学んだ民俗学が、重なり、交わるところに共同売店はあると学生なりに捉えたのがはじまり。

共同売店の歴史を聞けば、その集落がどのようにして変わりゆく時代と社会を生きぬいてきたのかを知ることができる。

共同売店に並ぶ商品を見れば、その集落で暮らすために必要な食材や道具の種類、数、大きさを知ることができる。さらには、食文化などの風習まで。

共同売店でゆんたくすれば、おじいおばあが何を楽しみして、お互いを見守りながら日々を暮らしているのかを垣間見ることができる。

あゝきりがないや。共同売店のすごいところ。

画像3

とは云うものの、共同売店の存続がとても厳しいという現実には目を背けることができない。人と物の移動が容易くなったこと、各家庭に便利な家電が普及したこと、田舎から都市部へと人口が流出してしまったこと、買い物をする選択肢が多様化したこと。便利になっているようにみえる世の中は、これまで地域を支えてきた共同売店を閉店へと、どんどんと追い込む。最盛期に比べて半数以上の共同売店がお店を閉じてしまった。

さて、冒頭で述べたように”共同売店に夢中になる病”にかかり、共同売店と出会ってから6年が経とうとしているが、今もなお共同売店の底力を感じ、その奥深い面白さに興味は止まない。将来への危機感はますます強まるばかりだが、同じくらいに愛着が生まれ、育まれている。

画像4

一つ言えるのは、共同売店は抱える課題はひとつの共同売店や地域だけでは解決できないところまで進んでいる。だからこそ、外とのつながりが欠かせないのだ。ここに、私たちの「愛と希望の共同売店プロジェクト」の存在意義がある。

共同売店が真ん中にある暮らしの風景を

大きくなりすぎた経済と生産の活動単位を、共同売店に倣って見直してみよう。自分の暮らしのありかたを考えるきっかけになるかもしれない。共同売店がより身近に、愛おしく思えるかもしれない。多くの人に共同売店の魅力や役割を知ってもらいたい、そんな思いで作ったのが「共同売店がある暮らし」という冊子。小林と山田なりに表現してみた。卒業論文での研究をうんと生かしつつ、ユーモアを忘れずに、愛情たっぷりに。

冊子を作った一年後には、尊敬してやまない大好きなお二人からいただいたご縁から、展示会をすることになった。それを聞いていちばんびっくりをするのは、大学生だった自分かもしれない。

-------------------------------------
「共同売店がある暮らし展」
日程/2020年3月4日(水)〜4月6日(月)※火曜日休み
時間/11:30〜24:00
場所/カフェユニゾン(沖縄県宜野湾市新城2-39-8 MIX life-style 2F)

期間中は、共同売店の魅力が詰まった写真展示やグッズの展示販売だけでなく、私たちが作った「共同売店がある暮らし」の冊子やこれからのプロジェクトなどもご紹介。もりだくさんのイベントも企画しています。
▼イベントの詳細はこちら▼
https://www.facebook.com/events/847371249092586/
-------------------------------------

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?