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AI術師の生存戦略

MidjourneyやStable diffusionがリリースされてから、わずか半年もたたないうちに世界は大きく変わりました。
当時は可愛いキャラが作れれば御の字程度であったAIイラストは、ローカルを除いてもNovelAIやnijijourney, lexica, holaraなどの新規サービスを経るにつれて加速度的に力量を増し、今では当たり前のようにキャラにも背景にも凝った神絵が作れるようになりました
私たち、AIイラストを使う人々(いわゆる術師)は、今まではAIイラストの未来のために一致団結してその可能性を示していました。しかし今、大幅に期待を込めてたてていた未来の予想をはるかに上回る速度で、AIイラストは進化し続けており、もうすでにAIイラストの未来は確約されたも同然です。我々は、これから先、術師個人としての生き方を考えなければならない時代に突入していると感じます。激動の2022年は期待とそれを上回る成果、そして団結感にあふれていましたが、2023年は淘汰の年となるのではないでしょうか?

Waifu diffusion + 加筆
Novel AI
nijijourney
Lexica
Holara

〇淘汰の年

これは別に私の悲観的な予想ではありません。AIイラストがあまりに優秀で可能性を示しすぎたあまり、参入する人たちがあとを絶たないのです。
私は積極的にTwitterで新人術師を追っているわけではありませんが、すでに平然と神絵を生み出し続けている割に、フォロワー1000人に満たないような術師がリストに入れているだけでも30人以上います
今伸びている人たちの中には、うまいのになんで伸びないのか?とか言っている人もいますが、考えるべきはそこではなく、彼らが本格的に伸びて同じ程度のインプレッションを確保するようになったとき、自分に先駆者利益以外でどうやって彼らと対抗していくのかを考えるべきでしょう。
さらに今はネタで言っていますが、これから先確実に起きることとして、『神絵師転生』が挙げられます。AIイラストの質が担保された場合、その圧倒的な生産性に既存のイラストレーターはどうやっても勝つことができません。となると、まともにイラストで食っていこうと思えば神絵師がAIイラストを使いこなすようになるのは必然です。構図や色彩の深い知識を持ち、リタッチまで技術を持ちあわせた神絵師によるAIイラスト生成に、どうやって立ち向かうのか。しかも生産数が爆発的に増えるので一部の神絵師のイラストだけでも市場が飽和してしまう可能性すらあります。

〇生存戦略

お金を稼ぐことは重要ですが、生存戦略は別にマネタイズだけに限りません。いくら趣味でやっていても、誰からも覚えてもらえないような存在になってしまっては悲しいばかりです。
また、もう一つ悲観的な要素があります。既存のイラストであればすでに技量の差がついているため、後発が追いつくには死に物狂いの努力が必要ですが、AIイラストは呪文さえ知ってしまえば簡単にパクることができます。また、モデルがかわるたびにある程度プロンプトの効きも変わってくるので努力して身に着けた知識も(全く無駄にならないものの)ある程度消えてしまう蓄積の乏しさも恐ろしい点です。
というわけで、術師個人がこの先どう生き残るのかを考えていきます。といっても私は何の専門家でもないのでただの個人の思考の垂れ流しですが、興味ある方は最後まで読んでいってください。

〇個性の確立

要するにこれからは個性が求められるわけです。後発が伸びてくる前に、この絵柄ならこの人!みたいなイメージを作り上げることが重要ではないかとおもいます。自分のキャラクターを作ることもその一助になりますし、独自のプロンプトを少しずつ形を変えて継続的に投稿し続けるのがいいかのではないでしょうか。ただ個性的なだけでなく世間のニーズにマッチする個性を模索する必要があります。
……といっても今伸びている人たちはだいたいみんな確立していて、術師同士だと、「あ、これは○○さんの画風だな」と通じ合っている訳ですが。

Twitterで伸びるのに手っ取り早いのはNSFW方面とか追加学習を用いた版権キャライラストだとおもいますが、そういったイラストばかり量産する人に企業案件は来ないと思うので、なんていうか…ジャンプ作家ではなく同人作家を目指すみたいな道のりだと思います。Pixiv FANBOXや同人誌を作ればある程度マネタイズは可能なようです。こういった行動は当然早い方がいいでしょう。

〇コンテストへの参加

私にコンテストの事を聞かないでください。。。。
非常に困難な道のりかと思いますが、普通に綺麗なイラストで企業案件などを受けつつ存在感を出したいのであれば、コンテストなどに参加し地道に実績を稼ぐしかないのではないでしょうか。
案件などは直接個人と交渉するよりも投稿サイトなどを通じてくる事もあるようですから、投稿サイトのイベントコンテストなどで存在を出すことも重要なのではないでしょうか。出来ないけどね!!!

〇案件の作成

人を集めて同人誌などを自分で作ってしまうことですね。漫画とかアニメの作成もこれに当たるかもしれません。
2022年冬のコミックマーケットでは8件のAIイラストを使った同人誌が発売されたようです(早い!)どのぐらい反発があるか戦々恐々でしたが、作った人たちが身銭を切って無料配布をするなどの努力もあり幸いなことに炎上せずにコミケは終了しました。私はこの事実を、AIイラストに対する世間の風向きが変わってきたととらえています。夏コミ以降ではさらにAIイラストを使った同人誌は増えるでしょうし、普通に売ることも可能になるのではないでしょうか。
どんな場所でもそうですが、企画力やコミュニケーション能力を持った人材というのは重宝されていくと思います

〇さいごに

まだ3カ月程度ですが、すでに「自分では何もできない。。。」といって辞めている人の姿もちらほら見かけます。今年は誰にも想像ができないほど飛躍するであろうことが約束されているAIイラストですが、そのあまりの速度に対して振り落とされないように必死でいたいなというのが、いちAIイラストレーターとしての今年の抱負です


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