言葉の雫 //220203四行小説

 ポタリポタリと言葉が落ちる。君は喋ることがあまり得意ではなくて、小さな声で紡がれる言葉は雫のように静かに落ちる。聞き逃すまいと僕は耳を寄せ、多くはない言葉をどうにか掬う。
 僕が水ならその言葉を全て受け止められるだろうか。もっと君の声を引き出せるだろうか。澱んだ油を君に注ごうとする人達を、洗い流してしまうことは出来るだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?