あげる //211123四行小説

 好きなものをお裾分けする。これはきっとあの子も好きだろうなと、あげたときに喜ぶ顔を想像しながら袋に詰める。
 自分本意な行動だということは重々承知していた。だから、もしも合わずに喜んでくれなくたって、そのときに責めるのはあの子ではなく自分自身なんだけど、もしも、もしも、自分の想像かそれ以上に喜んでくれたなら、この上なく嬉しいなと切実に思う。

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