希死念慮と秋の空 //210929四行小説
女心をすぐに変わりやすい秋の空模様に例えることがあるけれど、希死念慮も大概秋の空のようなものだと思う。
昨日までは問題なかったのに、不意に思い出したようにやってくる。透明で黒いそいつは自分を粘土のようにくるんでいってまともな意識を消さんとする。
良くない、と自覚はあれどそれだけで払えるものでもない。
睡眠不足、運動不足、体調不良、ストレス、気温の変化、変えられない環境、些細な人間関係、怒られた記憶、ままならない自分自身についてのあれこれ。何か原因となるものはなかろうかと探るが全てが原因のように思えるし、全ては後付けのような気もしてくる。
食べて美味しいと思えたものをなんとか頭から捻りだし、ひとまずコンビニで豪遊するためにプリンを買った。
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