おでん //211115四行小説

 寒くなってきたら食べたくなるものといえば、おでんだろう。あれは一応鍋物のくくりなのだろうが、おでんはおでんとして独立した料理のように思う。
 地域ごとに特色はあるが、本日は自分の好きなものを適当に入れる日にしよう。練り物はひら天とごぼう天、おもちと鶏肉の代わりは安くなっていた餅入りつくねにして、大根は半分全て入れてしまう。牛スジとおでんの元も入れ、最後に卵を剥いて鍋に放り込めば好きなものしか入っていないおでんは完成だ。
 偶然売っていた国産牛スジは甘くてもちもちしていて久しぶりの当たりのもので、噛み締める度に脂の混ざったいい味が口に広がる。何がこのおでんの出汁たらしめているのか分からないが、ただただ旨い。これでヘルシーなのだから最高である。
 次はロールキャベツとタコも入れたいなと思いつつ、味のしみた大根を味わった。

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