秋の馬 //210926四行小説

 馬に季節なんて無いけれど、敢えて言うなら秋が似合うと思う。
 白い桜を咲かせた馬も良かったけれど、きっと彼女は銀木犀も咲かせられるに違いない。
 飛越する馬も格好よかった。地を駆けて前肢をぐっと踏み切り軽やかに障害物を飛び越えていく。少し冷えた空気の中を全力で駆け抜けていくのはどんなに気持ち良いだろうか。
 せめて安らかに夢の中でも駆けて欲しい、と切に願っている。

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