秋の雨 //211025四行小説

 秋の空気が濡れている。あの澄んだ透明に水の粒が撒かれて、息をする度に気圧の低さまで思い知らせてくる。
 久しぶりの雨は早朝から降り続け、ついに帰る時間になっても止むことは無かった。暖房を付ければ暑く、切れば寒くなるこの中途半端な気温と湿度で服装は定まらない。仕方なく重い上着に袖を通し、思いのほか粒の大きい雨を傘で受けている。

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