優しくて胡散臭くて愛しくて //211129四行小説

 何を言っても受け入れて肯定してくれるから、隣にいると居心地がいい。けれどあまりに優しいから胡散臭くてこわくなる。その言葉が本心なのか、腹の裡では何を考えているのか分からなくて身構える。それでもやっぱり欲しい言葉をくれるから、目を細めて笑う顔だけを視界に入れて、愛しさのままに腕に抱える。ずぶずぶとぐだぐだと、沈んでいくのは生暖かくて気持ち良い。

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