銀木犀 //211028四行小説

 甘い匂いがして、君が顔を上げる。「この匂い、終わったんじゃないん?」嬉しそうに辺りを嗅いで、目を凝らす。
 これは時期的に銀木犀の匂いだろうか? 君は花があるかを確認しようとしていたけれど、早くに落ちた日のせいで見えない。私の目にも花の姿は見えない。君が隣で笑っていることしか分からない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?