ホットミルクはどこか苦く //220202四行小説

 アクビをして、ため息を吐いて、項垂れている。少しだけ凹んでいた。別に、何かがあったわけではなくて、どちらかというと楽しみにしていたことが不意のことで出来なくなってしまったような残念に思う気持ちと行き場を失った胸の高鳴りを持て余している。
 どうしようもないから、ひとまず牛乳をマグカップに入れてレンジで一分半。好きなゲームを用意して、好きなお菓子を一つだけ咥え、画面に向かう。もうこういうときは別の夢中になれることで上書きした方がいい。だって、別に誰も悪くなかったし、何も悪くなかったし、自分自身を責めてもどうしようもないのだし、今日くらい自分を甘やかしてもいいじゃない。忘れることが必ずしも悪いことでは無いのだから。

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