白い窓辺 // 230523四行小説

 白い窓辺から見える風景には川があった。その川縁を犬の散歩をする人やジョギングをする人、通勤に行く人など朝の日常が広がっていて、寄せては引いていく波を見るような気持ちでそれを眺めている。
 部屋にいる自分とは時間の進みが違っているようで、自分が窓の向こうにいないことが不思議だった。休息を取るべきだと分かってはいても、この風景に気持ちが急いてしまうのは仕方ないと思う。とはいえ何も出来ないことは分かっていたから、諦めを孕んだため息を溢す。

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