マガジンのカバー画像

海洋灯(まりんらんぷ)歳時記

157
季節のうつろいを感じながら、その時々に自分なりに思ったことを記録しています。
運営しているクリエイター

#七十二候

2024蛙始鳴(かわずはじめてなく)

苦労する その経験が 実となれば 海へ向かいて ダイブ厭わず 蛙始鳴(かわずはじめてなく) 蛙が鳴き始める頃。 水田の中をスイスイ泳ぎ、活発に活動を始めます。 「かわず」は蛙の歌語・雅語。

2024牡丹華(ぼたんはなさく)

いつまでも 人まかせには できもせず 自分の足で 一歩踏み出す 牡丹華(ぼたんはなさく) 牡丹が大きな花を咲かせる頃。 豪華で艶やかな牡丹は「百花の王」と呼ばれています。

2024霜止出苗(しもやみてなえいずる)

今はただ 時の流れに 身をまかせ 焦る心も 波にまかせて 霜止出苗(しもやみてなえいずる) 霜が降りなくなり、苗代で稲の苗が生長する頃。 霜は作物の大敵とされています。

2024葭始生(あしはじめてしょうず)

シアワセは デンキが点いた ミズが出た よろこぶキミと 笑い合うこと 葭始生(あしはじめてしょうず) 水辺の葭が芽吹き始める頃。 葭は夏に背を伸ばし、秋に黄金色の穂をなびかせます。

2024虹始見(にじはじめてあらわる)

行き場なく 港ただよう 船たちを おもんばかって 春の陽やさし 虹始見(にじはじめてあらわる) 雨上がりに虹が見え始める頃。 淡く消えやすい春の虹も次第にくっきりしてきます。

2024鴻雁北(こうがんかえる)

誇らしく 咲こうとすれど 邪魔となる うすらトンカチ 春の雨音 鴻雁北(こうがんかえる) 雁が北へ帰っていく頃。 雁は夏場をシベリアで、冬は日本で過ごす渡り鳥です。

2024玄鳥至(つばめきたる)

気がつけば 地割れダメージ のこる土手 春が来ている つくしの背伸び 玄鳥至(つばめきたる) 燕が南の国から渡ってくる頃。 「玄鳥」(げんちょう)とは燕の異名です。 #私の作品紹介

2024雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)

キミはもう 光ることさへ 忘れたか このままココで 朽ちてゆくのか 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす) 春の訪れを告げる雷が鳴り始める頃。 「春雷」(しゅんらい)は「虫出しの雷」とも呼ばれています。

2024桜始開(さくらはじめてひらく)

どこまでが 復興なのか わからない まだ復旧 すら道半ば 桜始開(さくらはじめてひらく) 桜の花が咲き始める頃。 桜前線の北上を日本中が待ち望む、 お花見の季節の到来です。

2024雀始巣(すずめはじめてすくう)

センタクを するために来て 教えられ 命のソレと 人生のソレ 雀始巣(すずめはじめてすくう) 雀が巣を作り始める頃。 昼の時間が少しずつ伸び、多くの小鳥たちが繁殖期を迎えます。

2021玄鳥去(つばめさる)音もなく霧雨けぶる港にて呼び出し受けて船を待つ我

何事もないことが一番幸せ【3行短文】 ジメジメ とつゆが もどった みたいな ざんしょ のなかで いつもと かわらず たんたん としごと をこなす まいにち たいして めでたく もないの にバース ディのメ ッセージ をおくっ てくれる むすめと しってか しらずか れんらく もよこさ ないドラ むすこに なにごと もないと いうこと それこそ おやたち  がのぞむ しあわせ だとつた えたい! 玄鳥去(つばめさる) 燕が子育てを終え、南へ帰っていく頃。 来春までし

2021鶺鴒鳴(せきれいなく)人生をやり直したいと思ってもそれができないと或る事情

ムコトリムスメの決心【3行短文】 わたしが あなたと いっしょ にいるの はべつに あなたが とくべつ やさしい とかいう わけじゃ ないのよ あなたと  いるのは らくだし なんだか たのしい それだけ とおもっ てるみた いだけど … まよって いたころ あなたが いったわ  ろうごの めんどう みないと いけない おやたち よにんに なったな そのとき  きめたの このひと とかぞく になると 鶺鴒鳴(せきれいなく) せきれいが鳴き始める頃。 せきれいは日本神

2021禾乃登(こくものすなわちみのる)森の中涼を求めてチェアリングお供のテサゲ静かに光る

法師蝉【私の好きな山頭火】 つ く つ く ぼ う し あ ま り に ち か く つ く つ く ぼ う し 禾乃登(こくものすなわちみのる) いよいよ稲が実り、穂を垂らす頃。 「禾」は稲穂が実ったところを表した象形文字。

2021天地始粛(てんちはじめてさむし)漁師が使い続けてきたランプ荒波超えて光り続ける

マリンランプのこと【3行短文】 さいきん おきゃく さまから オシャレ なランプ ですねと よくいわ れるけど ぎょせん でホント につかわ れている さぎょう とうだし デザイン もなかが  ぬれない ようにと ガラスの グローブ  となにか にぶつか ったとき のために てつせい ガードで おおわれ ただけの  いたって シンプル ぶこつな がいかん  はとても オシャレ とはいえ ないけど 天地始粛(てんちはじめてさむし) 天地の暑さがようやくおさまり始める頃